――先ほど、アインズ本編の撮影にも苦労があったと話していましたが、それよりもさらに大変だったんですか。

天翔 そうなんですよ。まずセリフのない中、心の変化を表現する必要がありました。その他、サンドバッグをたたいたり、壁を殴ったりするシーンもありましたし、鏡に何度も頭をぶつける演技のシーンや、冬空の中、雨でずぶぬれになりながらの撮影もありました。一つひとつの撮影が本当に濃くて。

 最後のバイクのシーンは、欲望に追いかけられながらもバイクで逃げ切り、最後に自分の欲望と向き合って、強く美しく変身するという心の変化を表現しているんです。「目の中から伝わる心の強さ」を出せるように、すごく意識していました。

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「KATE」×「仮面ライダーアインズ」のコンセプトビジュアル 本人インスタグラムより

――僕ら一般人は演技をしたことがないので分からないんですけど、目の奥の強さというのは、どうしたら出せるものなのでしょうか。

天翔 演じる役がなぜここにいるのか、どのような背景があり、今何が起きているのかを考え、役をきちんと掘り下げて、本当に自分がその人物なんだと心の奥で実感しないと、偽物というか、うそになってしまうなと感じています。

 画面がアップになると、全部分かってしまうんです。本当に小さな目の動きや、手の繊細な動きにも、感情の変化は全部出ると思っています。そういった部分でも、撮影に向けた役作りでは父がすごく一緒に考えてくれて、支えられた部分がありました。

 萩原監督は撮り方もすごく繊細で。少しでも気持ちが入っていないシーンがあったら、「全然伝わらないよ。今、自分はなぜここにいるか分かる?」とはっきり言うんです。そうやって全てのシーンで、役の心情をきちんと理解して演じているかを確認され、自分自身でも役と向き合いながら、大切に撮影したのがKATEの短編です。

“仮面ライダー55周年”という特別な年に公開

――仮面ライダーは今年55周年ですが、そこで藤岡さんの娘である天音さんが仮面ライダーを演じるというのは、改めて歴史を感じますね。

天翔 55周年というのは本当に運命で、たまたま今年公開になったんです。私が20歳になった節目の挑戦にもなりましたし、いろいろなおめでたいことが奇跡的に重なりました。

©釜谷洋史/文藝春秋

――ちなみに、仮面ライダーアインズはフィギュアなどのグッズになっているんですか?

天翔 今1番作りたいんです。だから今、ファンの方から「フィギュアを作ってほしい」という声をたくさんいただいていますし、私自身もとても欲しいので、フィギュアなど、本当に出せたらいいですよね。

次の記事に続く 「ある日、父がきょうだい4人に1本ずつナイフを渡して…」藤岡弘、の次女・天翔天音(21)が明かす、父から教わったサバイバル術と“藤岡家の家訓”

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。