――小説を書く手法はマンガとは違いますか?

 いえ、流れはだいたい一緒です。最初に全体像をなんとなく思い浮かべて。こういう感想に思い至るにはこういう筋立てがいいんじゃないかと考えて、文章のプロットを作る。それをマンガにするか文章にするかの違いだけですね。小説はマンガと違って言葉で描写する分、思ったより書くのに時間がかかりました。

「漫画でイけ」は小説の中に漫画が組み込まれるという“ハイブリッド小説”になっている

ツイッターと紅白歌合戦

――鳥さんの作品はマンガも小説も時間感覚が独特だと思います。すごくサクサク進むのに濃密です。

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 それはめっちゃ言われます。ツイッター育ちなのは大きいかも。140文字以内でどう読ませるか……みたいなことを訓練してきたので(笑)。

――どういう時間感覚で生きていらっしゃるのか不思議です。

 すごくせっかちですね。同じ容量のものを読むなら情報が多いほうがうれしいだろうという前提があって。

 子供の頃から「紅白歌合戦」が大好きなんですよ。演歌歌手が歌っている後ろでアイドルグループが踊っていて、けん玉もやったりして、司会者も審査員も画面に映っている。情報量が多くて、みんなそれぞれ機能して画面ができている……あれをやりたいんだと思います。

――マンガも小説も同時に複数発表しているわけで、とてつもなく情報量の多い日々を過ごしていますよね。

 ごちゃごちゃした状況が好きなのかもしれません。人生においてごちゃごちゃしているのはあまりいいとは思ってないんですが。あれこれ手を出さずひとつのこと、ひとつの勉強に注ぎこんだらいいのではと検討したシーズンもあったんですが、悲しいことにひとつに集中する資質が自分にはなくて。

 

――散らかっているほうが集中できるタイプなのではないかと。

 最近はそう思ってあきらめました。

――それはそれで才能だと思います。

 ありがとうございます。自分の資質と折り合いをつけて、生きやすい人生にしていきたいですね。(つづく)

撮影=末永裕樹/文藝春秋

次の記事に続く 「ざまぁ系にしては…」「性格悪い」とネットで賛否…気鋭のマンガ家・鳥トマトが世間の声に思う“本音”