新著『部下としてのAI』が版を重ねる米Microsoftの最前線で活躍する現役エンジニア・牛尾剛氏と、テクノロジーを駆使したライフハックの達人・勝間和代氏の初対談が実現。異ジャンルの二人が語り合ったのは、意外にも「食洗機とホットクック」の話からだった。先進的な家電とAIの共通点とは?

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牛尾剛さん(左)と勝間和代さん(右) 撮影・細田忠(文藝春秋)

「人生を効率化するのが大好きなんです」

牛尾 本日はよろしくお願いします。みなさん勝間さんのことはよくご存知かと思いますが、僕は普段、米Microsoftのクラウドサービスの部署で、AIのシステムを開発したり業務を自動化する仕事をしています。新著の刊行記念ということで、AIをテーマに勝間さんと話せるという、すごい“役得”の機会をいただきました。

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勝間 今日はAIに絡めて、家電の話もしようかなと思ってます。

牛尾 まさにいま家電に興味があるので、ぜひその話から始めましょう。アメリカの賃貸物件って最初から家電がついてるのですが、一人暮らしの僕はADHDで適当なこともあって、けっこうキッチンが汚くなってたんですね。以前食洗機を使っても綺麗にならなかった印象があったのですが、最近友達から「この洗剤使ったら?」と言われて専用のものを使ってみたら、ものすごいピカピカになったんですよ。食洗機ってこんなにすごかったのか!と驚いた(笑)。

 そこで『勝間家電』を読み込んで、ルンバは上位機種の1世代前のものを買えばいいんだなとか、家電を駆使して時間を確保するさまざまな方法が非常に参考になりました。僕はエンジニアリングと音楽以外にあまり時間を使いたくないから、そうやって人生を効率化するのが大好きなんです。

勝間 基本的には、生活の中でアルゴリズム化できるものはすべて家電化できるんですよ。アルゴリズムとコストの問題で、採算のとれるものなら何だって家電化できる。だから、料理とか皿洗いは簡単に家電ができるし、掃除も家電のほうが上手です。

 逆にアルゴリズム化しにくいもの――「食材を切る」とかは、キャベツとか豆腐とか、毎回素材の形も切り方も異なるものは家電が苦手なんですね。

一人暮らしに“絶対おすすめ”の家電

牛尾 なるほど。僕みたいな一人暮らしに絶対おすすめの家電はなんですか?

勝間 「ホットクック」一択です。普通は無水鍋って焦げ付くのが最大の欠点でしたが、これは温度管理してくれるから絶対焦げ付かない。材料を切って入れて、スイッチを押すだけ!

©AFLO

牛尾 アクとかどうするんですか?

勝間 アクは100度以上で出るのですが、ホットクックは最高90度ぐらいで抑えてくれるからアクは出ないんです。

牛尾 へー、カレーつくるとき、いつもアク取ってました。

勝間 あと、野菜料理なら40度~60度くらいでゆっくり火がとおると一番美味しくて、でも最終的には90度ぐらいにならないと煮えません。ホットクックは、そういう繊細なコントロールを、蓋を開けずにかき混ぜながらやってくれるんです。人間ができないことを物理的にやってくれる。

 そもそも熱には2種類あって、フライパンで炒めるような伝導熱と、オーブンのような輻射熱があります。前者は温度が不均一なうえ高くないから料理がまずくなりやすいんですが、ホットクックのように閉じ込めた輻射熱で料理をすればたいてい美味しくできるんですよ。