――病気について公表しようと思ったのはなぜなのですか。
酒井 いろいろ理由はありますが、病気の認知度が低すぎると感じることが多かったからですね。リウマチと言っても「温泉の効能に書いてあるけど、何の病気?」という方も多いですし、膠原病(シェーグレン症候群、関節リウマチ)に至っては「高い山に登ったらなるやつでしょ?」って音が似てる高山病と勘違いされたり。
「病気を抱えても仕事ができるパターン」を見せる役目
――ポジティブにご自身の状態を伝える姿を観て、励まされている人も多いと思います。
酒井 「この病気になったら仕事できない」みたいなネガティブな情報ばかりが世の中で増えると、それを見た同じ病を患った人が「私はもうだめなんだ」と落ち込んでしまう。
なので私の役目は、「仕事できるパターン」を見せること。せっかく病気になったんだったら、病気になったことで得た利点とか、ポジティブな側面を発信していきたい。
――公表することに反対はありませんでしたか?
酒井 「女優は余計な情報を出さない方がいい」と言う人の方が全然多いですね。「イメージ良くないよ」「CM決まらなくなるよ」って。でも、それはあんまり関係ないと思ってるんです。
もし私が母親役で子供を叱りつけているシーンで「でもこの人、リウマチなんだよな」と思わせてしまったなら、それは私の演技力が足りてないだけだと思うので。
――カウンセリングについても「どんどん受けよう」と発信されていますね。
酒井 精神的に弱ってたらできるだけ早く受けた方がいいと思うんです。カウンセリングを受けたことに過剰に反応するのは日本ぐらいじゃないでしょうか。
芸能人がカウンセリングに行くことや難病を隠すことで、「言わない美学」とか「隠す美学」みたいなものが世間的にも育ってしまう部分もある気がします。「さらけ出す美学」だってあったっていいし、それを私がやれたらいいなって思っています。
――15歳からの30年、病気も抱えながら芸能界を生き抜いてきた今のご自身を、どう感じていますか。
酒井 よく頑張ったなって思うし、めちゃめちゃかっこいいことができたんじゃないかって、自分のことを尊敬してます(笑)。「よく生きてたね」って思うことがたくさんありますし。芸能界にいると、もっとズルをしたり、意地汚くなったり、卑屈になったりしちゃう可能性はあったと思うけど、自分なりにはまともに生きてこれたかなあと。
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