「将来は総料理長になれる」と評価された矢先の不幸「自転車に乗っていたら…」
――ウェディング系のホテルに就職を。
川越 はい。でも、成績がAクラスだったのに結婚式場に就職したので、周りからは見掛け倒しみたいに思われて。例のDV彼氏からも「お前、落ちぶれたな」と笑われました。
すごく腹が立って、絶対に見返してやろうと思いました。その会社では、400人くらいいる中で若手として初めてMVPを獲りました。新店舗の立ち上げにも関わらせてもらって、新卒の料理人としては異例の30万円近い給料をもらっていました。
――リベンジを果たした。
川越 同級生からも「一番頑張ってるのはお前だよな」って言われるようになって。でも、その会社のオーナーやシェフから「このままいけば、将来は料理長になれる」と言われたときに、ふと「私の人生、ここでもう決まっちゃったんだ」って、すごく寂しくなってしまって。
そんな時に交通事故に遭ってしまったんです。自転車に乗っていたら、車に右手をはさまれて。神経が麻痺して、使えなくなってしまったんです。
――料理人にとっては致命的ですよね。
川越 MVPを獲って、これから頑張るぞというタイミングだったのに。周りの先輩料理人たちからは、「MVPのくせに、全然使えねえじゃん」みたいな雰囲気になって。
人生で初めて、本格的に鬱っぽくなりました。小学生のときよりもひどかったです。1人で納品作業をしているときに、「つらいよね、苦しいよね、大丈夫だよね」って、ずっと自分に話しかけていたり。オープンキッチンなのに、料理を作りながらずっと独り言を言っているような状態で。
そんな私を見ていたシェフから、「お前、やばいよ」って言われました。私自身もこのままじゃダメだと思って、縁あって伊勢神宮に行ったんです。
「渋谷でスカウトされたんです」セクシー女優になった経緯
――伊勢神宮。
川越 スピるわけじゃないんですけど、そこで何か憑き物が落ちたように、すべてがスーッと抜けて。帰ってきた数日後に、渋谷でスカウトされたんです。
職場が渋谷だったことから、原宿に住んでいて。その日はすごく雨が降っていて、帽子を深くかぶって、ダサい格好をしていたのに、109の近くで声をかけられて。
――それが現在の事務所?
川越 いえ、最初は別の事務所でした。そこでは、いきなりスリーサイズを聞かれたり、すぐに「撮影しよう」とか言われたりして、ちょっと怪しい感じだったんです。怖いから一度持ち帰って、3日後にその事務所に行く約束をしたんですけど、その前日に今の事務所のスカウトに声をかけられて。
前の事務所のことを話したら、「そんなところはダメだよ」って。「そこまで言うなら、あなたの事務所を見せてください」と返したら、事務所に連れていかれたんですよ。スリーサイズなんて聞かれず、ひたすら法律の話をされて。
説明が終わったら「今日はもう帰っていいよ」って。ちゃんとしたオフィスもあって、前の事務所とは全然違いました。

