戦争犯罪と闘い続けるICC赤根所長をトランプ政権が制裁対象に指定した。だが、高市首相は抗議の意思を示すこともなく、ただ「大変残念に思っています」と語るのみ。世界中に激震が走る中、己の信念を貫く彼女は――。
クレジットカード、私用メールも使えない…
新たな道を切り開いてきた2人の女性が対面を果たしていた。1人は、憲政史上初の女性宰相となった高市早苗首相(65)。もう1人は、日本人として初めて国際刑事裁判所(ICC)のトップに就任した赤根智子所長(70)である。
今年1月7日、永田町の首相官邸。赤根氏の表敬訪問を受けた首相は、力強い言葉で支援のメッセージを伝えていたはずだった。
「国際社会における法の支配の維持・強化に向けてこれからも日本は(略)しっかり支援していくので、頑張ってほしい」(首相のXより)
一方の赤根氏は昨年6月に上梓した著書『戦争犯罪と闘う 国際刑事裁判所は屈しない』で、自らの活動についてこう綴っていた。
〈私たちの活動には、戦争の惨禍などに苦しむ世界中の被害者たちの希望が託されていることを忘れないでほしい。この人たちの希望の灯りを消してはならないのです〉
年明けの対面からわずか7カ月余り。高市首相との約束は反故にされ、ICCが守り続けてきた希望の灯りは消えてしまうのか。
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米トランプ政権は8月19日(日本時間)、赤根氏を経済制裁の対象に指定したことを発表した。異例の措置に、欧州諸国は「あからさまな攻撃」などと強く非難。日本政府の対応が注視されたが、高市首相が報道陣に語ったのは、
「大変残念に思っています」
という言葉に留まった。
「英語版の政府見解でも、遺憾の意を示す『regrettable』ではなく、残念な状況を意味する『very unfortunate』を用いていた。批判のトーンを落としていたのです。日本政府の一歩引いた対応が目立つ形となりました」(政治部デスク)


