宮藤 ドラマの最終回って、もうご覧になりましたか? そこで舞台のシーンが登場するわけですけど……。
役所 もちろん見ました。あれは、もっと見たくなりますね。やっぱり特別なエネルギーがありますよ。
宮藤 よかった〜。いや、僕自身は、まだ怖くて見てなくて。役所さんにそう言ってもらえると安心して見られます(笑)。みなさんも、ぜひご覧ください。
セリフは「散歩をしながら覚える」
宮藤 さて今回、僕の連載が888回ということで、それにちなんだ話を……。『いまなんつった?』というタイトルで、日々、僕が気になった“セリフ”を取り上げるエッセイなんですが、役所さんにとってセリフってどんなものですか。そもそも、どうやって覚えてますか?
役所 繰り返しやるしかないですよね。そんなに苦労せずに覚えられるセリフもあれば、物理的な量や専門用語がいっぱいあって単純に丸暗記するしかないっていう種類のものもあるので、とにかく繰り返し。僕は散歩をしながら覚えることが多いですね。ポケットの中にセリフを書いた紙を入れておいて、あれ? となったらすぐに見られるようにしておいて。
宮藤 僕も散歩派です。動きながらっていうのがいいらしいですね。あと、掛け合いの相手側のセリフを自分で喋って録音して、それを聴きながら自分のセリフを言うっていうのもよくやります。でも時々、電車の中とかで思ってた以上に自分が大きな声を出していたことに気づいて、怖がられたり。試行錯誤してます。
役所 いい作家のセリフは覚えやすいですね。だから宮藤さんの台本は覚えやすいですよ。
宮藤 え、そうですか。
役所 やっぱり俳優でもいらっしゃるし、おそらく、全部の役のセリフを口に出しながら書いてますよね?
宮藤 あ、そうです。
役所 だから、台本を読んだ瞬間から、これはこういう感じで喋るんだなっていうのが、すっと入ってきやすいんだと思います。「あー」とか「うーん」と言い淀む部分でも、気持ちの流れがわかるから、長くても覚えやすいんですよ。