歌手や俳優として多彩に活躍する鞘師里保が、『週刊文春』9月10日号の巻頭連載「原色美女図鑑」に登場。
「今日はこの夏初めて、真正面から“夏”というものを受け止められた日になったかなと思います」
8月に行われた海辺での撮影を、そう振り返ってくれた鞘師。この夏「原色美女図鑑」のロケより前に彼女が取り組んでいたのが、ドラマの撮影だ。
そのドラマとは、9月10日スタートのドラマ特区『付き合ってあげてもいいかな』(MBSほか)。鞘師はW主演を務める。たみふるによる同名の人気マンガを原作とした本作は、大学の軽音楽サークルを舞台に、鞘師演じる猿渡冴子と、小西桜子演じる犬塚みわが織りなすガールズラブストーリーだ。
「恋愛ドラマの主演をさせていただく機会は、今までなくて。親密な関係とその揺らぎを演じるということに、ハードルはありました。その中で、プロデューサーさんたちに『冴子は鞘師さんが演じるべきだ』と言っていただいて。その熱意に触れて、周りの人も自分のことも信じて、新しいことに挑戦しようと思いました」
鞘師演じる冴子は、一見サバサバしているように見えて、内面には脆さや揺らぎを抱えた人物。演じる中で自身と重なる部分もあったと語る。
「私自身『しっかりしていそう』と見られることも多く、ちゃんとした自分を見せないと芸能界で受け容れてもらえないんじゃないかと不安になって、自分を演出しようと思っていた時期もありました。 冴子が自分の内面の弱さに向き合って成長していく姿と、私自身の生き方がリンクして、ドラマの中で上手く作用していたらいいなと思います」
撮影は大変さの一方で、現場では大学のサークル活動を疑似体験しているような楽しさもあったという。軽音楽サークルのライブシーンもドラマの見どころで、作中ではギター演奏も披露している。
「私も自分のライブでは踊りながら歌っていますが、ギターを持ちながら演奏し、お芝居もするというのは全然違いますね。 使う脳が全く違って、難しかったです。
実は『いつか弾けるようになりたい』と思って5年くらい前にギターを買って、自分で練習してみたりしていたのですが、ずっと弾けるようにならなくて。でも、今回ギターの先生に教えていただいたことで、『弾けるかも』と思えるようになって。今後私のライブで、ギターを弾くところを披露する機会もあるかもしれません(笑)」
楽曲やEPに込めた思い
さらに今回のドラマでは、エンディング主題歌「幸福失格」も担当する。
「自分の中にある執着心などの醜い気持ちに気づいた嫌悪感や、自分が好きになった相手に、同じ熱量では見つめ返してもらえないことに苦しむ気持ちを歌っています。私がこれまでに出している曲の中でも、音の高さの動きが激しい曲です。メロディーでも、感情の起伏の上げ下げが表現された曲になっていると思います」
音楽活動では、約4年のインディーズ活動を経て、昨年6月にメジャーデビュー。9月2日にはコンセプトEP『OWN』がリリースされた。タイトルには「失敗も自分のものにする」という思いが込められている。
「これまで私は、何かを『うまくやらなきゃ』という気持ちがあると、自分の中だけで解決しようとして結局うまくいかないということが多かったんですけれど。もっと外に向かってアクションを起こして、失敗もしながら自分の進む方向を決めていくのが大事だなと思うようになりました。今回のドラマでも、トライアンドエラーができる環境を監督さんはじめ周囲の皆さんが作ってくださって、ありがたかったです」
インタビューの最後、そんな彼女に、日常での“失敗”を聞いた。
「去年から自分でパンを焼き始めたのですが、焼くときに塩を入れ忘れてしまったりします(笑)。材料は合っていても、こね方が悪いのか上手く焼けないこともあったりして。奥が深いですね」
撮影 増田彩来
ヘアメイク 上野知香
スタイリング 和田ミリ
さやしりほ 1998年5月28日生まれ。広島県出身。「モーニング娘。」を2015年に卒業後、歌手・俳優として幅広く活動している。
鞘師里保さんにご登場いただいたカラーページ「原色美女図鑑」は『週刊文春』9月10日号に掲載。「週刊文春 電子版」では誌面ビューワーでご覧いただくことができます。

