2009年、鳥取県で複数の男性が謎の死を遂げた事件。主犯格の上田美由紀死刑囚が暮らしていたプレハブ長屋の内部は、羽虫が群がりゴミ袋が天井まで埋まる凄惨な空間だった――。果たしてそこで何が行われていたのか?
ノンフィクション作家の八木澤高明氏の文庫新刊『殺め家』(鉄人社)より一部抜粋してお届けする。(全2回の1回目)
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「ナゾの物体」の正体は…
「臭いはすごいわ、蠅のわき方は尋常じゃなかったんね。窓がおはぎみたいに真っ黒になっているから何かと思ったら、全て小蠅だったんだよ」
鳥取市内のスナックでホステスとして働いていた死刑囚を取り巻く男たちが謎の死を遂げた事件。
2010年の秋に上田美由紀が暮らしていたプレハブ長屋を訪ねた時のことだった。彼女の家の隣に暮らしている男性は長屋の汚さについて語ってくれたのだった。
私が長屋を訪ねた日は、たまたま大家さん立ち会いのもと、長屋からゴミを出す作業が行われていた。
大家さんの許可をもらい部屋の中に立ち入ることができた。
