言われたことしかやらない部下に自分から動いてもらうためには、どうしたらいいのか。行動経済学に詳しい橋本之克氏は「指示待ちする部下は決してやる気がないわけではない。業務にとりかかるハードルが高いだけだ。業務の渡し方を工夫するだけで、みるみるうちに自走するようになる」という――。

※本稿は、橋本之克『チームは「仕組み化」でうまくいく 組織力を高める行動経済学』(祥伝社)の一部を再編集したものです。

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“指示待ち部下”を動かすには

事例:「言われたことしかやらない」メンバーが多いチーム。どうすればもっと自走できるチームに変えられるか?

広告代理店のクリエイティブディレクター・浦野は、ここ最近の自分のチームに歯がゆさを感じている。

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優秀なメンバーは揃っているはずなのに、誰もが「指示待ち」の姿勢になりつつある。新しい企画コンペが始まっても、誰かが「まずブリーフを読み込みましょう」と動き出すまで、皆が様子見。途中で止まったタスクは、声をかけない限り再開されない。

浦野自身は、メンバーに「もっと自走してほしい」と何度も口にしてきた。だが、檄を飛ばしても効果は一時的で、しばらくするとまた同じ状態に戻る。

「自走」はかけ声だけでは生まれない、ということは分かっているのだが、では具体的に何を仕掛ければチームは動き出すのだろうか?

冒頭のチームを「動かない」状態にしているものは、いったい何なのでしょうか。新企画が始まっても、誰かが動き出すまで皆が様子見。途中で止まった仕事は、声をかけられてようやく再開する。その背景にはさまざまな要因が考えられますが、表に出ている事象から共通して見えてくるのは、メンバーが「自分から始める」のが難しいという構造です。

「やり始めたものが途中で止まっている」のではなく、そもそも「最初の一歩を踏み出せていない」ところにあると仮定してここでは考えていきましょう。