DIYで作ったような橋で川を渡る

 思ったよりも大変な道のりだったが、滝はもう近い。細い道は橋となって川を渡るのだが、これがとても手作り感あふれる橋だった。川の流れを堰き止めないように4本の土管を川と平行に置き、その上からコンクリートを流し込んで道路にしている。コンクリートの打ち方も荒々しく、DIYで作ったような印象だ。

手作り感あふれる橋は、橋の上に水もあふれていた
慎重に橋を渡る

 そして、土管に収まりきらなかった水が、橋の上にも流れていた。それも結構な水量だ。欄干もないため、歩行者だったら流されてしまうかもしれない。川に落ちないように慎重に橋を渡った。

水量が少ない時に再訪すると、これが橋だと分かった

 橋の先には、またしても見覚えの滝のイラストがあった。

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 “樽谷の滝1.1km”

あと1.1km

 思わず「は?」と声が出た。先ほど見た時は1.2kmだった。わずか100mしか進んでいないことになる。

先ほどから100mしか進んでいない?

 もっと進んでいるような気がするし、これまでと設置間隔が違いすぎている。なんだか一気に進み方が遅くなった気がしてきた。

 “樽谷の滝680m”

つづら折りで急な上り坂
矢印がきちんと道路の線形を現している芸の細かさ

 残り1kmを切ったら、かなり細かく刻んできた。路面には大きな落石が転がっている。その先には、ヘアピンカーブの急な上り坂が待っていた。ダートの上り坂はずるずると滑りやすく、緊張感が漂う。

大きな落石が転がっていた

 “樽谷の滝600m”

あと600mというところで道がなくなった

 着実に近づいてはいるが、私の進む速度が遅いのか、あるいは距離の概念が変わったのか、距離の縮み方が遅くなった気がする。とはいえ、残り600mしかない。もう一息だ。そう思った矢先、目の前から道が消えた。これまで、未舗装ながらも歴然とした道があったのに、それが完全に消滅してしまったのだ。道の先には幅10mほどの川が流れ、左右どちらを見渡しても道がない。

直進するしかない

「そんなばかな……」と思い改めて周囲を見渡すと、川の向こうに道があることに気づいた。嫌な予感しかしないが、これはもう、その結論しか思いつかない。車で川を渡れということだ。前日は雨が降っていたせいか、水量が多い。意を決して川に突入する。なんとか無事に対岸へ渡ることができた。

これが正式な滝へのルートとは思えない

 さあ、最大の難所を越えた。あともう少しだ。そう思ったが、現実はそんなに甘くなかった。目の前には“車両通行止”と書かれたバリケードが置かれていた。「いや、それならなんで車で川を渡らせたんだ」と思ったが、よく考えてみると、徒歩で川を越えると足元が濡れてしまう。足元を濡らさないための配慮だったのではないかと思い直した。

川を渡った直後に車両通行止

 “車両通行止”の下には、わざわざ親切に《「樽谷の滝」への“歩行者通行可”徒歩での散策は出来ます!!”》とも書かれている。これはやはり、優しさだったのだろう。

わざわざ“歩行者通行可”と書いてくれる優しさ。ポップなキャラクターが滝のイラストと通じるものを感じる