川を渡るのだ。もちろん橋などは架かっていない

 樽谷の滝まで残り540mとなったが、ガレた道が続く。これでは、確かに車では通れない。

あと540m

 “樽谷の滝300m”を過ぎたところで、またしても難関が待ち構えていた。

あと300m。道のりが一層険しくなってきた

 川を渡るのだ。もちろん橋などは架かっていない。徒歩で対岸に渡る以外に選択肢はない。しかし、幸いなことに先ほどより上流に来ているため川幅が狭く、2~3mしかない。中央付近にある石を足がかりにすれば、なんとかノーダメージで対岸に渡れそうだ。

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何の予告もなく現れる川。先に進むには飛び越えるしかない

 イメージトレーニングを重ねていると、足元で何らかの生物がウニョウニョとうごめいている。ヤマビルだ。靴に付いていた数匹のヤマビルを指でつまんで排除したが、油断していると奴らはすぐに這い上がってくる。もうイメージトレーニングしているどころではなくなり、急いで対岸にジャンプした。

足元からはヤマビルも襲いかかってくる

 その後もヤマビルの猛攻は続き、少し歩いてはヒルをチェックして、指でつまんで排除する。一難去ってまた一難、再び川を越えるポイントが現れた。もう慣れたもので、ひょいひょいと岩を足がかりに越えてゆく。ここだけコンクリートで舗装された急な上り坂を抜けたところで、またまた川越えだ。ここも今まで通り……と思ったが、うまくいかない。どう頑張っても、水没せずに対岸に渡るルートが見つからなかった。

またしても川を越える
急な上り坂だからだろうか、ここだけコンクリートで舗装されていた

 これまで小刻みに現れていた道しるべが全く現れなくなったので正確な距離が分からないが、おそらく樽谷の滝まで目と鼻の先まで来ている。ここまで来て諦めるという選択肢はなく、私は二択を迫られていた。1つは濡れるのを覚悟で川に飛び込んで対岸に渡ること、もう1つは一度車に戻って長靴を履いてくることだ。

またまた現れた行く手を阻む川。ここだけが越えられなかった

 そう、車には長靴が積んであった。探索はいつも突然にはじまるため、車には常に長靴やヘルメットなどの道具を積んでいる。こうした状況になることが分かっていれば最初から長靴を履いてきたのだが、川を渡るという情報はどこにもなく、ポップな滝のイラストがあるだけだったのですっかり油断していた。

ここで車に引き返し、長靴を履いて戻ってきた

 もう既に車から川を2回渡ってきて、ヒルの動きも活発だ。ここまできて車まで戻るのかと思うと、躊躇してしまう。もっと早く長靴を取りに戻っていれば……そう恨めしく思いながらも、結局、長靴を取りに戻った。