何も知らない息子が怖がるほど、全身がパンパンにむくみ……

――その場合、どう対処するのでしょうか?

りゅーすけ それでも血圧を上げる薬の投与を続けるしかなく……。排尿できないので全身にむくみが生じてパンパンになり、体重も15~20キロほど増えました。見た目の変化は明らかで、そうまがそばに行くのを怖がるほどでした。

――変化していくえいこさんを見ているのも、つらかったでしょうね……。

ADVERTISEMENT

りゅーすけ そんな状態が10日ほど続いて、亡くなる2日前に医師から「あと1~2日がヤマです」と告げられました。その頃にはもう血圧が40~50まで下がって全く上がらず、危篤状態で。

 ただ、僕を含め家族はまだ覚悟ができていなかったというか、奇跡を願い続けていました。病院にある家族向けの宿泊部屋に泊まって、朝起きたらすぐに妻の様子を見に行ったり、食事以外は病室で過ごしていましたね。

 亡くなった当日は、夕方に義父母と子どもたちが食事をするために一度帰宅していて、僕と義姉が病院に残り、妻の様子を見守っていました。その時血圧がゼロになって、機械から「ピーーーー」という音が鳴り響いて……これはまずいと義姉と2人で必死に声をかけ続けたところ、1分ほどして血圧が戻ってきました。

りゅーすけさんが29歳、えいこさんが27歳のタイミングで結婚した(本人提供)

――一度は戻ったんですね。

りゅーすけ とはいえ「これはいよいよかもしれない」と、義父母にも連絡して戻ってきてもらいました。でも、できることといえば家族全員で「えいこ」「えいちゃん」「戻ってきて」と声をかけ続けるくらい。ここまできてようやく、本当に亡くなってしまうのかもしれないという実感が湧いてきたのを覚えています。

 家族全員がそろってすぐ、脈が止まり、血圧も再びゼロになりました。その瞬間、家族全員が泣き崩れて……。僕自身も悲しくて仕方がなかったのですが、闘病生活をずっと見ていたので、「家族がそろうまでようがんばったな、もうがんばらんでもええよ」という思いもありました。

――特にえいこさんの親御さんはショックが大きかったそうですね。

りゅーすけ とにかく義父の落胆が大きいように見えました。すぐにお葬式をするのではなく「少しでも長く自宅で一緒に過ごしたい」と、ドライアイスをたくさん用意してえいこを仏間に寝かせて。ただ、真夏でしたし全身にたまっていた水分が目や鼻から出てきてしまって……。それを拭きながら2日ほど一緒に過ごし、家族が代わる代わる声をかけていました。