2度目のラブコールを送った相手は…
この作品にはもう一人、欠かせないキャストがいる。カン・ハヌルだ。ナム・デジュン監督の前作『ラブリセット 30日後、離婚します(以下、ラブリセット)』に続く2度目のタッグとなるが、今作の脚本を、最初から彼を主軸に想定して書いていたという。いわゆる「あて書き」だ。
「『ラブリセット』の制作を終えて、『ファーストライド』の脚本作業に入った時からカン・ハヌルさんを思い浮かべながら執筆していました。彼の演じたテジョンというキャラクターも、彼の演技のトーンを反映して完成させました。個人的に、カン・ハヌルさんは“笑わせる部分”と“泣かせる部分”のバランスを最もよく表現できる俳優だと思います。
そしてカン・ハヌルさんは素晴らしい人柄とユーモアのセンスを持った人なのです。一緒に仕事をした経験があるので、お互いのことをよくわかっていますし、信頼をベースにしたキャスティングでした」
前作でカン・ハヌルが演じた役と、今作のテジョンという役。監督は明確な演じ分けを求めていたという。
「二人とも高学歴で、善良な人物という共通点があります。しかし前作の役が気弱で感情的な人物だとすれば、今回のテジョンは大胆で論理的な人物。両者とも少し抜けているところはあるんですけど(笑)」
さらに監督は、撮影中にカン・ハヌルへこんな質問を投げかけたことも明かしている。
「もし実際に2つの映画の登場人物だったとしたら、(前作のテーマである)愛と(今作のテーマである)友情のどちらを選ぶのか、カン・ハヌルさんに聞いたこともあります。彼の答えは……秘密にしておきます」
カン・ハヌルとの「3度目のタッグ」は?
カン・ハヌルの回答が気になるところだが、そこは「秘密」という監督。では今後、カン・ハヌルとの「3度目のタッグ」はあるのだろうか?
「ちょっと大げさに聞こえるかもしれませんが、私が脚本を書いて演出するすべての作品をカン・ハヌルさんと一緒にやってもいいと思うくらいです。彼は素晴らしい俳優であり、可愛い弟のような存在です。観客の皆さんを笑わせられるのであれば、どんな物語でも構わないので、また一緒に作品を作りたいです」
カン・ハヌルと共に、再び観客を笑わせたいーー監督のコメディ愛を感じる答えだった。

