ふと気づくと何か月、何年も会えていない友人がいる。決して友情が薄れたのではない。ただ仕事が忙しくて、生活があって、気づけば時間が経ってしまった。誰しもそんな存在が、一人や二人いるのではないだろうか。
9月25日に日本公開された韓国映画『ファーストライド』は、そんな大人たちにこそ観てほしい作品だ。24年来の幼馴染4人が、高校時代に叶えられなかったタイへの卒業旅行を、10年越しに実現させようとする――韓国で興行収入ランキング初登場1位を記録した青春トラベル・エンターテインメントである。
物語の重要人物を担ったのは、映画『ミッドナイト・ランナー』『ラブリセット 30日後、離婚します』や、ドラマ『椿の花咲く頃』『イカゲーム』シリーズなどで知られる人気俳優、カン・ハヌル。本人がメールインタビューに応じ、本作の見どころや撮影の裏話を教えてくれた。
◇◇◇
若手スター俳優としてデビューしたカン・ハヌルも、今年36歳になった。2010年代から今日にいたるまで、毎年のように出演映画やドラマが続々公開されている。まさに休む暇もないほど多忙を極める彼は、友人との距離に思うところがあったという。
「この作品への出演を決めた理由――それは、脚本を読んだら、長年の友人たちのことが頭に思い浮かんだからです。昔には一緒に旅行に行ったり、よく遊んだりしましたが、年齢を重ねるにつれて会う機会も少なくなり、旅行に行くための時間を合わせることさえ難しくなっていきました。そういうことって、よくありますよね?」
そしてこう続けた。
出演のきっかけは「罪悪感」
「脚本を読み進めるうちに、友人たちに対して申し訳なかったな、という感情が湧いてきたんです。おそらく多くの方も、日々の生活に追われるうちに、幼馴染や親友を大切にできなくなっているのではないでしょうか。この作品を通して、少しでも大事な友達のことを思い出してもらえる時間になるのではないか、と思ったのです
(演じた主人公・テジョンとは)自分の置かれた状況とリンクするところも多かったですね。仕事が忙しくて友人関係がおざなりになっていたこと、それに対する申し訳なさ、小さな罪悪感まで」
小さな罪悪感。彼が使ったこの言葉に、筆者もドキッとした。思い当たることがあったからだ。連絡しなければ、と思いながら時間が過ぎていく。本作はまさに、大人の友情の中に生じる、”小さな罪悪感”を呼び起こされる作品なのだ。

