シチュエーションをいかに面白く仕上げるか
彼が演じるメインキャラクターのテジョンは、成績優秀でありながらケンカっ早く、優等生なのに実は不器用という多面性のある役どころだ。さらには高校時代からその10年後まで、幅広い年代を演じ分ける必要もあった。
「テジョンという人物を面白いキャラとして演じるよりは、テジョンが置かれたシチュエーションを、いかに面白く見せようか。それには、どんな姿でいるべきなのかを監督と一緒に工夫して考えました」
役そのものに“分かりやすい”味付けをするのではなく、その人物がいることで「画が面白くなる」。そんな場を監督と作り上げた。
「皆さんの友達の中にも、テジョンのようにリーダー気質で、物知りなタイプが、きっと一人はいると思います。特別な能力を持った人物ではなく、周りを見れば一人くらいはいる、そんな”身近な仲間“を演じたいと思ったのです」
監督からの2度目のオファー、「あて書き」した脚本だった
本作は『ラブリセット 30日後、離婚します』に続き、カン・ハヌルとナム・デジュン監督にとって2度目のタッグとなる。しかも今回の脚本は、最初からハヌルの主演を想定して書かれた「あて書き」だったそうだ。カン・ハヌル自身からの監督への信頼も厚い。監督の“変わらない軸”はどこにあるのか尋ねると、彼はこう答えた。
「監督と僕は、なんと言いますか……人としての感覚や雰囲気が似ているな、と思う部分があるんです。そして、僕の思う監督の最大の長所は、決して人の心を傷つけないところ。その人格が作品にも表れています。
演出をされているときにも、心配りを感じますね。現場をいつも楽しい雰囲気にしようと努めてくださいますし、誰一人として傷つくことがないように配慮してくださるんです。もちろん演出力や脚本を書く才能も非常に素晴らしいですよね。その上で、一番好きなところは……人が集まる現場という空間を、笑いやユーモアで満たしてくれるところです」
それでは、ナム・デジュン監督と“3度目のタッグ”はあるのだろうか? 率直に尋ねると、こんな答えが返ってきた。
「ナム・デジュン監督との仕事はいつも楽しいので、監督の作品なら何でも面白そうだと思います。ただ、できれば……あまり大変な撮影や過酷なシーンのない作品だと嬉しいですね(笑)」

