チベットに根ざした作品を

――『リンカリンカ』の中で、サムキが撮影をいったん止めて撮影現場で雲を待つシーンがあります。今はスマホやAIを使えば、誰でも映画が撮れる時代ですが、若いサムキには、とても伝統的な映画監督の気質が感じられます。カンドゥン監督ご自身の理想も投影されているのでしょうか?

監督 新しいものを受け入れているつもりでも、映画監督としての私は、どちらかというと古典的なものを好むほうだと思います。

 新しいものに対しては、確かに同世代に比べて少し鈍いほうです。周りはみんなTikTokを使っていますが、私はあまり使いこなせていません。「映画監督なのに、若者が使っているメディアに触れないのは良くないのでは?」と指摘されたこともありますが、それについては疑問に思うこともあるのです。鈍感でいることにも、それなりのよさがあるのではないでしょうか。

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映画『リンカリンカ~あの夏の先』

――これから、どんな映画を撮っていきたいですか?

監督 創作を続けられるのであれば、これからもチベットに根ざした作品を撮っていきたいです。長編2作目は甜茶館で働く女の子の物語(甜茶はチベット風の甘いミルクティー)。ファンタジー要素もあり、『リンカリンカ』とは違う雰囲気の映画になると思います。

 ただ、もう少しキャリアが成熟してきたら、成都だったり、海辺の街だったり、内地を舞台にした映画や漢語の映画を撮ってみたい気持ちもあるので、そういう可能性も否定はしません。

映画『リンカリンカ~あの夏の先』

『リンカリンカ~あの夏の先』
監督/脚本:カンドゥン/出演:ツェリンヤンチェン、ツェキメト/2025/中国/100 分/配給:ムヴィオラ/© TIBETAN ANTELOPE FILMS CO., Ltd. ALL Rights Reserved/9月11日(金)よりロードショー

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