実はユーモラス
取材当日、まず驚いたのが、赤根さんにSPがたくさん付いていることでした。インタビュー時には4、5人のSPが同行しており、中には女性の姿もありました。配置を決めるために事前に会社建物内の平面図も提出するよう言われるなど、最初は緊張感があった。でも、初めてお目にかかった赤根さんは、とても気さくでした。ご自身は「昔から人見知りだから……」とおっしゃいますが、お話ししやすく、分け隔てのない気持ちのいい方なんです。たとえば、ICCの本部はオランダのハーグにあって、巷間伝わるように、オランダの食事はあまり美味しくないそうです。普段、赤根さんはICCにあるカフェテリアでランチをとられているのですが、後日ICCを訪問した際には「昔はもっと美味しかったんだけど、最近はクオリティが低下して、みんな困ってるの」と、ユーモアも交えながら、にこやかに話してくださる。
あと、お仕事をしていて気が付いたのは、赤根さんが言葉に対して非常に敏感だということです。ご自身がいくら中立であっても、受け取る人によって政治利用されてしまう恐れが常にあるのが彼女の立場です。原稿のやり取りでも、文章を読む“相手”に言質を取られないように、表現や語尾など、細部にまでこだわっていらっしゃいました。
ある時、ご自分の名前で本を出すことにはリスクもあるにもかかわらず、出版を決断した理由を尋ねたことがありました。返答は、
「時代の目撃者として後世に残しておく必要があると思うんです」
※約7000字の全文は、月刊文藝春秋のウェブメディア『文藝春秋PLUS』と『文藝春秋』2026年10月号に掲載されています(鳥嶋七実「プーチン、トランプと戦う 赤根智子さんの素顔」)。
・「決して諦めない」という哲学
・増えていく『戦争犯罪と闘う』の反響
