イオンを捨てたアオキが組むべき「理想の相手」とは?

 アオキが同盟を組む相手の要件としては、まず「(1)今後長期的にイオンと覇権を争う覚悟を持った企業であること」が挙げられる。その上、「(2)食品調達力でイオンに次ぐ規模、PBで十分な実績をもっていること」。最後に「(3)協業に向けてステークホルダーを納得させられるシナジーを構築可能な相手であること」が必要だ。

 (1)(2)は似たような銘柄になるが、ドン・キホーテを運営するパン・パシフィック・インターナショナルHD(PPIH)、トライアルHD、ライフコーポレーション、ヤオコーを中核とするブルーゾーンHD、バローHD、オーケー、ベイシアグループ、といった大手スーパー群、もしくはコンビニ大手3社ということになるのだろう。

 特に難しいのが(3)で、どのような戦略を考えるかという「構想力」という点から、スーパーながらドラッグストアを持っているグループなら、絵は描きやすいかもしれない。

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 ここで直近のドラッグストア業界図をもう一度みてみよう。

2025年度のドラッグストア業界売上ランキング

 今や上位、中堅どころのドラッグストアでスーパー系の銘柄というと、バローグループの中部薬品しかない。ちなみにバローは6月、ホームセンター業界3位のコーナン商事と資本業務提携を結んでいる。バローはグループのホームセンター・アレンザHD株を半分程度渡すことと引き換えに、コーナンの関東、近畿の店舗網へ食品スーパーを大量にテナント出店するのだという。

 もし仮に、中部薬品がアオキの同盟者となれば、アオキの悲願である売上1兆円の達成は一気に実現味を帯びてくる。バローは食品PBでも業界屈指の存在であるし、バローにしても、食品比率5割のアオキが1兆円規模のフード&ドラッグとなってくれれば、PBの規模拡大に資する。

 ただ、スーパーとフード&ドラッグは同じ商材を扱うことから「相性が悪いのでは?」と思う方も多いかもしれない。しかし、実際はそうならない。

 既に述べたように、一般的なスーパーとアオキの損益分岐点は異なる。さらに、アオキはスーパーが閉鎖した土地に勢力圏を広げてきた。つまり、スーパーが大・中商圏、スーパーを出せないミニマムな商圏にアオキが出て行けば、両方が店舗を増やしていける。そう考えると、こうした組み合わせはむしろ極めて有効に機能する。

 ただ、この程度のことは業界関係者なら想像の範囲内であろう。企業間の同盟関係は経済合理性だけでは進まないが、逆に言えば他の要素は置いても経済合理性の通りに組むことが生き残るための最も近道となる。イオンという巨大な流通大手と決別して生きて行くためには、合理的な同盟パートナーが必要になることだけは間違いない。

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