2002年7月、群馬県で下校途中の女子高生が誘拐され、身代金要求の末に殺害される痛ましい事件が発生した。逮捕されたのは、家庭内暴力で離婚し多額の借金を抱えた当時50歳の男。みだらな欲望と金銭欲にかられた卑劣な犯行とは――。ノンフィクション作家の八木澤高明氏の文庫新刊『殺め家』(鉄人社)より一部抜粋してお届けする。(全2回の1回目)
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群馬女子高生誘拐殺人事件
2002年7月に発生した群馬女子高生誘拐殺人事件。
群馬県粕川村込皆戸に暮らしていた坂本正人が女子高生を誘拐し、赤城山麓の山林に連れ込んだうえ殺害。女子高生の家族に身代金を要求し、受け渡し場所に現れたところを逮捕された。
犯行の荒っぽさも、現金を要求し、受け渡しの場所にひょっこり現れる間抜けさなど、平成という時代に発生した事件ではなく、どこか前時代的な事件の匂いがするのだった。
そんな事件を起こした坂本はどんな人生を歩んだのだろうか。
坂本は高校中退後、親族の建設会社で働きはじめたが長続きせず、仕事を転々とする。1999年には妻子と離婚。原因は坂本のたび重なる家庭内暴力であった。常に金に困っていて、消費者金融からの借金は200万円ほどになり、定職に就いていなかった坂本は、両親に生活費を無心していたという。
日々荒んだ生活を送っていた坂本は、常に金のことが頭から離れなかったのだろう。
