「お芝居をしないお芝居」を目指して
現実の高校生たちとの共演をきっかけに「本物のお芝居とはお芝居をしないこと」を究極の目標に据えた森田は、少しでもそれに近づくべく試行錯誤を重ねた。『全裸監督』で演じた黒木香や、人気マンガを映画化した『シティハンター』(2024年よりNetflixで配信、一部劇場で公開)で演じた槇村香のように、実在の人物や原作がある場合は最低限その人に近づける努力をする。それに対してオリジナルやモデルがいない場合、最初に台本を読んだときのイメージを大切にしているという。
これについて「セリフを初見だけでイメージがすぐに湧くものなのですか?」とインタビューで訊かれた彼女は、《湧きます》ときっぱり答え、《そこにその人の思い出、積み重ねてきた経験や景色などをあとづけしていくのですが、あくまでも初見が大事。なぜなら、読めば読むほど、イメージがブレてしまうから》と説明している(『anan』前掲号)。
台本を初見した時点で役のイメージを掴む
ドラマ『恋する母たち』(TBS系、2020年)でも不倫に走る新人弁護士を演じ、SNSで「山下のり子(役名)は最低だ!」と書かれたりもしたというが、それもけっして嫌な感じに演じてやろうという気はまったくなくて、台本を初見したときのイメージで演じた結果という。
NHKの朝ドラ『虎に翼』(2024年度前期)で演じた花江のおっとりとしたしゃべり方も、視聴者のあいだでは賛否両論が起こった。これも森田によれば、《最初に読んだ台本にセリフのあとにハートマークや音符マークが付いていて、私がパッとイメージして連想したのがあの喋り方だった》という(「オリコンニュース」2024年7月12日配信)。
とはいえ、いくら役のイメージに合わせて演じ分けても、自分が解釈して演じている以上、どの役でも根本のところではつながっているという。
昨年(2025年)公開された映画『ナイトフラワー』(監督は『全裸監督』にも参加した内田英治)では、北川景子演じる主人公のシングルマザーとともに危険な商売に手を染める格闘家の役で、体形からして役そのものになりきっていて驚かされた。

