——大学生からは女装することも頻繁に?
Rio 明治学院大学の法学部に進学して都内で一人暮らしを始めたので、女装もしやすくなりました。ただ大学には男の格好で行って、2年生からバイトしはじめた男の娘メイドカフェには女装して出勤してましたね。好きな格好してお金がもらえるのは最高でした。
——歌はいつから?
Rio 中学生ぐらいの時からニコニコ動画の投稿は続けてたんですけど、男性パートと女性パートを両方歌う「男女分裂」を始めたのは20歳の頃です。
——男女分裂はどうやって生まれたんですか?
Rio ニコニコ動画には男声と女声を1人で歌う「両声類」というジャンルがあって、僕はもともとそれにずっと憧れてたんですよ。自分もやってみたいなって。僕もずっと歌は地声で、セリフだけ女性っぽい声で動画をアップしてたので、できそうな気がしたんです。でも一番大きかったのは、パフォーマンスということにすれば堂々とかわいい格好ができたんですよ。普段かわいい格好をしてたら「変な男」って見られるけど「パフォーマンスの一環です」って言えば周りも納得してくれるじゃないですか。
——でも23歳でバンドでデビューした時は完全に男性モードでしたよね?
Rio 19歳の頃にニコニコ動画を見た音楽事務所の方から声をかけていただいて、そこから関係は続いてたんです。その後、23歳のときにたまたまニコニコ動画の広告で見つけたオーディションに自分で応募したら、そこにもその音楽事務所が関わっていて。オーディションに合格して、ビジュアル系バンドの活動を始めました。
ビジュアル系には女形の文化もあるんですけど、僕の場合は「Rioはそうじゃないよね」っていう感じで、女装は封印するように言われてました。それで男っぽい格好をしてました。ファンは「かっこいい」と言ってくれたりするんですけど、自分がなりたい姿とズレてる状態をかっこいいと言われても、あまり嬉しく思えなくて。
——25歳くらいの時にはバンドも活動が下火になっています。
Rio そのまま自然消滅みたいになって、次は歌い手グループでの活動もしたんですけど、その時もホスト・バンドマン・メンズアイドルみたいな格好でした。でも30歳が近づくにつれて「このまま華の20代を終えていいのかな」という思いが高まってきて、やっぱりかわいくなりたい自分の気持ちに正直になろうって思ったんです。
164cmで49kgまで痩せても「ダイエットじゃダメなんだ」
——男性の格好をするのはやめよう、と。
Rio いや、男性の格好をやめようというより、自分が好きな格好をもっと前面に出していこうっていう感覚でした。服装だけじゃなくて、体型も、まずは男性っぽく見えるところを削っていきたいと思うようになって。
僕はとにかく筋肉がつきやすい体質で、普通に生活してるだけでも筋肉がつきやすいし、痩せようと思って運動すると、逆に筋肉が発達してがっちりしちゃうんです。最終的にはもう食べないしかないと思って、1週間だけ水だけで生活して7kgも落としたり、無理めのダイエットをやってました。身長が164cmなんですけど、最終的には49kgまで痩せられたんです。
——164cm49kgはかなり細いですよね。
Rio 確かに頬がこけて痩せはしたんですけど、それでも体に筋肉が残っちゃって、理想には程遠い状態でした。体質的にダイエットじゃダメなんだと思って、29歳の時に筋肉を落とすためにボトックス注射を始めて、腕、肩、太もも、ふくらはぎに打ちました。
——それは大丈夫なんでしょうか……?
Rio 他に選択肢がなかったんでしょうがないですよね。ほかにも顔のヒアルロン酸注入やエクステでロングヘアにもして、やっと理想だったかわいい自分に近づけた感覚がありました。それでも恋愛対象はずっと女性だったから「自分は何なんだろう」って感覚はまだ残ってましたね。その頃は、自分は男でも女でもある「両性」ってやつなのかな、って考えるようになってました。
——「男女分裂」でも男性的な外見をしていることもありますが、それは嫌というわけではないんですか?
Rio 「Rioちゃん」も「Rioくん」も、どちらも自分がなりたい理想の自分なんです。昔はシンプルに女の子になりたいんだと思ってましたけど、だんだん「自分は男でも女でもある『両性』ってやつなのかな」と考えるようになって。当時はそれが自分なりの答えだと思って、それでカミングアウトすることにしたんです。
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