「笛をうまく吹いてくれるのでは……」。韓国サッカー界を揺るがす、審判への性接待疑惑が日本にも飛び火した。報告書に記された日本人審判A氏を直撃取材。当初は疑惑を否定していたが、問いを重ねると……。【全2回の前編/後編も公開中】

◆◆◆

〈協会は2011年3月~12年3月、国家代表チーム及び五輪代表チームの試合に参加した外国人審判や、審判交流で訪韓した中国サッカー協会の関係者をマッサージ店等で8回にわたり不適切に(性)接待した〉

 これは「週刊文春」が入手した、「大韓サッカー協会役職員等の不正調査結果」と題する監査報告書に記載されている文言である。韓国の行政機関、文化体育観光部が作成したものだ。

ADVERTISEMENT

 民放ソウル支局員の解説。

「韓国は北中米W杯で、グループステージであえなく敗退。洪明甫(ホンミョンボ)監督(当時)への国民の怒りが凄まじく、李在明(イジェミョン)大統領までもがXで監督やサッカー協会を批判したのです」

聴聞会で追及を受けた洪明甫氏 ©時事通信社

 結果、洪氏が韓国の国会で敗退を謝罪する羽目になったばかりか、警察が「前監督の選考過程で協会役員らによる不当な介入があった」とする業務妨害などの容疑で、韓国サッカー協会に家宅捜索を実施した。

「法人カードを使い、マッサージ店で性接待をした」

 そんな中で出てきたのが、文化体育観光部の監査報告書だ。ここでは、韓国で行われたW杯予選、ロンドン五輪予選、親善試合などで、外国人審判やマッチコミッショナーらに性接待が行われていたことが記されている。「共に民主党」の国会議員、陳善美(チンソンミ)氏が言う。

「国会が7月にサッカー協会に対する聴聞会を実施した際、私たちはサッカー協会の法人カード使用履歴を重点的に調査しました。その際、サッカー協会が法人カードを使用して、審判らに性接待を行ったという内容を把握したのです」

 16年に報告書が公表された際は、この性接待の事実は伏せられていた。