何をやらなければいけないのか……?
それは、食料調達だ。
築島には、コンビニはもちろん、商店や食堂、自動販売機もない。買い物ができる場所が一切ないため、滞在する日数に応じて必要なものを購入しておく必要がある。
もし買い忘れたものがあったとしても、一度島に入ってしまうと、気軽に外には出られない。島と本土を行き来するには、渡し船が必要だからだ。その渡し船も、定期便はなく「島民頼り」だ。
買い物には「マイクーラーボックス」が必須
話を戻そう。今回は、築島さんがよく利用しているというスーパーで合流し、滞在中の食材を調達することになった。
スーパーで合流した築島さんは、クーラーボックスや保冷バッグを両手いっぱいに抱えていた。
「車や船などに食べものを置かざるを得ないことが多いので、傷むのを防ぐために、クーラーボックスや保冷バッグは毎回持参しています」
もし傷んだものを食べて体調を崩しても、築島には病院も薬局もない。万が一島で体調を崩したら、基本的には自分で船を出して、本土に渡るしかないのだ。余談だが、土地柄救急車を呼べないため、緊急時にはドクターヘリが島に来るのだという。
築島さんが食材の管理に細心の注意を払っているのは、こうした事情があるからだろう。
「そんげな島あったっけ?」地元でも“ナゾの島”扱い
買い物を終え、築島への道すがら、休憩がてら地元の人達に人気のスポット「道の駅なんごう」に立ち寄った。築島からは、(船を考慮しなければ)車で5分ほどの距離にある。目立ったのが、高齢者の集まりだ。その一人と目が合い、「観光客? どこから来たの?」と声をかけられた。
東京から来たこと、そしてこれから築島に向かうことを伝えたところ「そんげな島あったっけ?」と隣の人と顔を見合わせ、首をかしげていた。
実は、築島に来る前にも宮崎にゆかりのある何人かに「築島って知ってる?」と聞いてみたが「知っている」と答えた人は1人もいなかった。
道の駅で休憩を終え、再度車を走らせ、ついに築島の対岸の港に到着した。
目と鼻の先に、緑で覆われた島が見える。頑張れば泳いでも行けそうな距離だ。実際に、築島さんが小学生の頃には、学校の授業で築島から本土まで泳いで渡ったこともあったと教えてくれた。


