「第2の親」とはどのように接していたのか
――実際に、外に置くんですか……?
築島 あくまでそういう「儀式」というか。島に伝わる物語があって、新しく生まれた子どもを道に置いて、たまたまそこを通った人が「こんなところに可愛い赤ちゃんが落ちてる。うちに連れて帰って大切にしよう」という感じで引き取って、その後に実の親が引き取りに来る――そんな内容でして。
実際には、あらかじめ島の大人たちで、「もうすぐあちらの家で子どもが生まれるから、誰々さんに第2の親になってもらおう」って決めておくんです。で、生まれたらお祝いの席を開いて、「道で拾ってもらった」という体にしていたと聞いています。
あとは生みの親、第2の親といっても、明確に役割を分けているわけではないです。僕的には、大事にしてくれる親が何人もいるって感じでしたね。基本的には実の両親と一緒に住んでいるんですけど、第2の親の家にも気軽に遊びに行ったり、泊まりに行ったり。向こうには僕の姉と同じ年ぐらいの娘さんがいて、本当の弟のようにかわいがってくれました。
僕が大人になったいまも仲良くしてもらっていて、この間も第2の両親とお姉さん、その子どもたちと3世代でお茶をしてきました。
――子どもたちがいなくなったいま、島の暮らしはどうなっているのでしょうか。
築島 僕が通っていた島の分校も、休校を経て、いまはもう閉校になりました。いま島に住んでいるのは、4人です。そしてみんな、80歳前後です。それでも島に住み続けて、いまも漁に出ています。ただ、いつ何があるか分からない年齢だから、いつでも本土に移住できる準備をしている方もいるそうです。
――しかし、このまま人が減っていくと、築島は……。
築島 無人島になってしまいますね。すでに、島は空き家だらけです。海沿いの島は、潮風が強いんですよ。だから、誰も住んでいない家はどんどん傷んでいく。その放置された空き家の中には、僕の実家もあるんです。
