島民が減っていき、島は「空き家だらけ」の荒れ果てた状態に
――ご両親も、島を出られたんですね。
築島 はい。長年この島で漁師をしていたんですが、年齢や体力のことを考えて。それと同時に、実家は空き家になりました。
その家を、島外の人が購入したんです。もともとは、別荘か何かにする予定だったのだと思います。ただ、島までの交通の便が悪いからか、ほとんど手入れがされていなくて。その結果、生まれ育った家が、どんどん寂れていっているんです。一度、「買い戻したい」と交渉したこともあります。でも、ダメでした。
でもこれって、僕の実家だけじゃないんですよね。島全体で、同じようなことが起こっている。そして、このまま無人島に近づいていけば、もっと課題は膨らんでいくはず。そういう状況を、ただ黙って見ているのが嫌だったんです。
それで数年前、空き家になっていた1軒を購入しました。いま僕たちがいる、この家です。ふだんは宮崎市の青島と行き来しながら、ここを拠点に島のためにできることを模索中です。直近では、民泊を開業するための準備を進めています。
――どうして、民泊を?
築島 島の空き家問題って、突き詰めると「家が使われないこと」なんですよね。人が来ないから、手入れもされずに朽ちていく。民泊なら、その逆ができるんです。
僕が定期的に通って手入れをして、心地いい空間に保つ。そして、来たい人が来られる入り口になる。家が使われ続けて、島に人の出入りも生まれる。それが、この島に対して僕ができることの、ひとつなのかな、と。少しでも多くの人に、純粋にこの島を「いい場所だね」と言ってもらえるようにしたいなと思っています。
――先ほど、高校進学のために、15歳で島を出るときは「ワクワクしていた」と話していました。いまは、この島がどう見えていますか。
築島 僕はこの島に帰ってくるために、一度外に出る必要があったんだな、と思っています。本土から離れているから、自然豊かで、静かで、穏やかで。いい意味で、俗世離れしているんですよね。それにいまはWi-Fiもあるから、外の世界とも繋がろうと思えば気軽に繋がれます。
僕がこの島でやりたいことは、「島を盛り上げたい」というような地域活性化とは、少し違うのかもしれません。ただ、生まれ育ったこの島を、これからも大事にしていきたいんです。

