書くうちに見えてきた「自炊系刑事」

――『闇をわたる』の単行本刊行時には、二階堂のキャラクターはあまり決めていないとおっしゃっていました。今はどうですか。

堂場 今は自炊系刑事かな。

 最初はあまり色を出さないほうがいいのかなと思っていたんですが、書いていくうちに、だんだん癖が出てきて。本人、お金はあるはずなんですけどね。結構まめに自炊している。

ADVERTISEMENT

――料理する場面も、これからこのシリーズでは描いていく?

堂場 食べるシーンはたくさん書いてきたけど、今回は作るほうを積極的に描写していこうかなと思っています。ちょっとレシピ考えないとね、いろいろね。

――事件だけでなく、二階堂自身もこれから変わっていくのでしょうか。

堂場 二階堂という人物が変化していくのを描くのが、最終的な目的なんです。彼には彼の事情と背景がありますから。

堂場瞬一さん ©文藝春秋

高級腕時計30本が消えた。もう一人の男も消えた

――『闇をわたる』では、富豪宅から高級腕時計30本と貴重な古書が盗まれます。一方、別の強盗事件では、容疑者として浮上した総務省審議官の息子が、出頭を求められた朝に姿を消す。こうした事件を通して、このシリーズで描いていきたいのは、どんなことなのでしょう。

堂場 お金があるがゆえに我々には想像もつかないようなことに巻き込まれたり、トラブルが起きてしまうこともあるわけです。

 このシリーズはこれからも書き続けますが、お金にまつわる話になっていくんじゃないかな。

 お金と、お金に絡め取られた人間。そういうものを追っていく話になると思います。