花森さんの気持ちを自分の言葉でノートに書き出した

写真:鈴木七絵

 後半、映画は花森が抱えている秘密を次第に解き明かしていくが、演じるのはなかなか辛かったという。

「花森さんがどんな思いで生きてきたのかを想像して、そういうシーンの撮影中はずっと辛かったです。ノートに花森さんの心境をたくさん書き出しました。台本に書いてある言葉じゃなくて、自分が考えた花森さんの気持ちを書いたんです。彼女が持ってる明るさの裏にあるものはなにか、なぜ明るく振舞わざるを得なかったのか、これまで彼女がどうやって過ごしてきたのか……。自分は花森さんの一番の味方であって、一番の理解者でありたいと常に思って演じてました」

真司と雪希が出会う〝死者たち〟(右=小澤征悦)。©2026藤まる/双葉社・「時給三〇〇円の死神」製作委員会

 真摯な眼差しに役作りへの熱意が浮かぶ。実生活では「以前は物事をネガティブにとらえてしまいがち」だったが、前向きに物事を見る工夫をしているという。

ADVERTISEMENT

「思うようにいかなかったり、人からちょっと嫌なことを言われたりすると、すごく落ち込むタイプだったんです。あまり先を考えすぎたり、済んだことを後悔していると、全然『今』っていう瞬間を見れてなく、それは勿体ないなと思い、今は寝る前にその日あった良いことを3つ、ノートに書くのを習慣にしているんです。『満月が見えた』とか『朝ゆっくり眠れた』とか『何が美味しかった』『友達とカフェに行った』。日常の小さな喜びを箇条書きに認める。そうすると、寝る前に『あ、まあ今日もいい日だったな』って思えます」

スタイリング:Lim Lean Lee/ヘアメイク:伏屋陽子

写真:鈴木七絵

ふくもと・りこ 2000年11月25日生まれ。大阪府出身。2016年開催の第8回「東宝シンデレラ」オーディションでグランプリと集英社賞(セブンティーン賞)を受賞し芸能界デビュー。2018年に『のみとり侍』で映画初出演。主な作品に『今夜、世界からこの恋が消えても』(22年)、『ディア・ファミリー』(24年)、『室井慎次』シリーズ2作(24年)、『お嬢と番犬くん』(25年)、『隣のステラ』(25年)など。

大学生の真司(西畑大吾)は生きる希望を失っていた。そんな彼に思いがけないアルバイトの誘いが。©2026藤まる/双葉社・「時給三〇〇円の死神」製作委員会

INTRODUCTION
若い世代の共感を呼びコミカライズ含めて累計発行部数36万部、各国で翻訳出版されるなど、国内外で人気のライトノベルが実写映画としてスクリーンに登場。未練を残したまま死んだ者には人生の〝ロスタイム〟が与えられる。死の事実がなかったことにされた世界でもう一度日常を生きられる、最後の時間。しかし死者が旅立てば、ロスタイム中の出来事はすべて消えてしまう。そんな世界で死者を導くアルバイトを始めた2人をアイドルグループなにわ男子の西畑大吾と福本莉子が演じる青春ファンタジー。
STORY
父親の逮捕、両親の離婚、恋人との別れ――。大学生の佐倉真司(西畑大吾)は不幸続きの人生に生きる希望を失っていた。そんな彼に、ある日突然、同級生の花森雪希(福本莉子)が「《死神》のアルバイトをしないか」と声をかけてきた。
STAFF & CAST
監督:酒井麻衣/出演:西畑大吾、福本莉子、渋谷凪咲、齋藤潤、泉谷星奈、佐津川愛美、山口馬木也、小澤征悦/2026年/日本/119分/配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント、ギャガ/©2026藤まる/双葉社・「時給三〇〇円の死神」製作委員会/2026年10月2日より全国公開。

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。次のページでぜひご覧ください。

次のページ 写真ページはこちら