阿川 映画に出てくる、ファーストサマーウイカさんの上司(水川かたまり)や取引先の人(工藤阿須加)といった被告側は判で押したようなデリカシーのない男たちでしたね。
綾瀬 あんなに意地悪な人いたんですか(笑)。ビックリですよね。
阿川 私が仕事を始めたのが1983年。それから6年間は『情報デスクToday』(TBS)でアシスタントを務めていたんですが、「無能な頷き役」というあだ名をつけられました。
綾瀬 え〜酷い。
阿川 まぁ、本当に無能だったからね。あと、飲み会に誘われて行ったらお酌要員だったとかね。お偉いさんの隣に座ってニコニコしながら話を聞いてお酌しろと。そういう役回りを差配する人たちも悪気はなかったんでしょうけど。家でも職場でも、映画の中での男性の女性への扱いは「あったあった」と頷きながら拝見しました。
亭主関白だった父、家事を1人で担っていた母
綾瀬 私の母も、誰よりも先に気を利かせて家族にお茶をいれていましたね。父が割と亭主関白だったので。
阿川 広島の男の人って心根は優しいんだけど、亭主関白な人、多いよね。
綾瀬 はい、優しくて武士みたいな感じというか。母がご飯から何から家事は全部ひとりでしていました。今、兄は逆に奥さんにビールを注いだり料理も作ったりしているんです。人によるのかもしれないですが、世代によって違うんだなと。
阿川 そんなお父さまが2019年にお亡くなりになって、今、お母さまはおひとり?
綾瀬 祖母と住んでいたんですけど、祖母は7月に99歳で老衰のため亡くなったんです。
阿川 そうでしたか。お母さまはお元気なんですか。お父さまは会社を辞めたのを機に農作業を始められて。お母さまも一緒にトマトやキュウリにブドウまで作っていたとか。
綾瀬 農作業は今もやっています。野菜もフルーツも作るのが好きだし「毎日楽しい」と、元気そうではありますね。母は誰かに何かをしてあげることが好きだから、父や祖母の面倒をずっとみていたんです。だから2人がいなくなって寂しいんじゃないかなと、ちょっと心配で。でも母は朝日先生みたいなところがあって「大丈夫よ、ひとりの時間ができたけえね」と、いつだってプラス思考なんですよ。
