広島で戦争を体験した祖母の話
阿川 ステキ! 綾瀬さんはおばあさまとも仲が良かったんですか。
綾瀬 はい、広島に帰ったらしょっちゅうおしゃべりしていました。お母さんと3人で女子会みたいでしたね。
阿川 すごい三世代だな。そのおばあさまに原爆の話を聞いたことがあったんですよね。
綾瀬 20歳のときにTBSの戦後60年特番に出演して以来、『news23』の戦争特集で筑紫哲也さんとご一緒させていただいて、戦争を体験した方にお話を聞く活動をしています。その番組の中で、私のおばあちゃんにも原爆の話を聞いたんですけど、亡くなる前もお嫁に行ったときのことや、人生で何がいちばん楽しかったか、色々聞きましたね。
阿川 例えば、どんな話が心に残っていますか。
綾瀬 嫁いだときは苦労が多かったみたいで。おばあちゃんのお姉ちゃん、私の大伯母さんを原爆で亡くしているんです。おじいちゃんはそのお姉ちゃんの旦那さんだったんです。
阿川 昔はそういうこと多かったみたいですね。
綾瀬 大伯母は、8月6日に建物疎開(空襲の火災延焼を防ぐため建物を取り壊す作業)の当番で市街地へ出ていて、亡くなったんです。
阿川 亡くなった姉さんの旦那さんと結婚するとか、亡くなった兄さんの奥さんと弟が一緒になるとかね。
綾瀬 そうなんです。おばあちゃんは8人兄弟の末っ子で、おじいちゃんと17歳年が離れているんです。おじいちゃんと大伯母の間に2人子どもがいたし、兄妹はお嫁に行くことに全員反対していたと。結局、お父さんやお母さんから、お姉ちゃんの嫁入り道具の洋服ダンスを使えばいいからと言われ、嫁ぐことになったそうで。結婚して子どもが2人できたけど、自分よりも早く娘を亡くしたりして大変だったと思います。
阿川 ご苦労なさったんですね。私も父が広島出身なんで、子どもの頃からちょくちょく広島に通ってたけど、当時は原爆ドームをみるのがこわかった。
綾瀬 初めて目にしたときは強烈でしたね。向かいにある原爆資料館へ行くと、以前は皮膚が焼けただれた人形とかが展示されていたんですけど、今はなくなったんですよ。
阿川 刺激が強いからかな。おばあさまは戦中戦後を懸命に生きてお子さんを育てたんですね。そしてそのおばあさまの息子さんのところにお嫁さんがきて、生まれたのが綾瀬さん。2000年に芸能界デビューされて、以前、『サワコの朝』(TBS)に出てくださったときにおっしゃっていた話がおかしかった。友達が受けるホリプロタレントスカウトキャラバンについて行ったら、受かっちゃったんですよね。(後編につづく)
〈ヘアメイク〉井手真紗子
〈スタイリスト〉西 真由美
〈衣装〉Plan C、GIA STUDIOS、AURALEE、KAJA BIJOUX、MARIA BLACK
INFORMATION

映画『ファーストボイス』
2026年10月2日(金)全国ロードショー!
出演:綾瀬はるか
ファーストサマーウイカ、松本穂香
峯村リエ、山田真歩、工藤阿須加、水川かたまり(空気階段)/ 鈴鹿央士、迫田孝也、酒向芳、木村多江、筒井道隆
監督:前田 哲 脚本:橋本裕志 音楽:富貴晴美
製作:「ファーストボイス」製作委員会
配給:松竹/ワーナー・ブラザース映画
©2026「ファーストボイス」製作委員会
