悪性リンパ腫の抗がん剤治療中、排尿障害が改善して一安心していた矢先に起きた大惨事。大人になってからの大量おねしょ、そして夢の中での放尿体験――。

 ブログやSNSには恥ずかしすぎて一切書けなかった病室での「失禁事件」について、同氏の著書『生きる力』(角川新書)の一部を抜粋して紹介する。

「今見ると、目力も笑顔も弱いなぁ」

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恥ずかしすぎた「病室失禁事件」

 ここでSNSにまったく書かなかった、恥ずかしすぎて書けなかった“事件”を書くことにします。家族と看護師さん以外誰も知らない事実。

 でも、「メモ魔」な私です。日誌にはしっかりと記録していました。

 ■りんちゃん日誌 1月7日 5時30分 入院20日目

 おねしょ してしまいました

 それも大量に!失禁!

 なぜだろう

 こんなのはじめて、ショック

 かわいい かんごしさんに報告するのがいやでいやで、

 シーツ、ふとん、ぜんぶ交換

 はずかしい

 まさか漏らすなんて。ありえない事態でした。

 いくらメモ魔だからといって失禁時刻まで記す必要ないのに……。この日の日誌だけ時刻が入っているというのは、取材中、大変な事態に遭遇した時に「今、〇時〇分、××しました」というリポーター時代の癖です。

 確かに大変な事態に違いありません。排尿障害が改善されたのでもう、おむつはしていないのです。

 しばし、呆然としました。

「なんで、今日、男の看護師さんじゃないんだよ」

 そこに文句をつけてもダメ。悪いのは私。

「どうされました?」

「あの……漏らしちゃったみたいなんですけど……」

「大丈夫ですよ」

 と、微笑みながらまったく動じない看護師Hさん。

「あらら、まあ」

 などと言わないのです。すると、

「泌尿器の調子がいいんですね」

 ベッドメイクをしながら私をほめてくれたのです。完璧な返しです。私の排尿障害が改善したことを念頭に、さすがプロです。

「もぅ、こんな恥ずかしい失敗はしたくない」と、家族にも内緒にしていたら……

 ■りんちゃん日誌 1月18日 入院31日目

 またも失禁!はずかしすぎる

 夢を見た

 豪邸に行くとプールのようなトイレがあって水中でしていいというシステム

 新しい!と思って、そのまま気持ちよく放尿してしまった

 夢を見ながら漏らすなんて小学生か! と思いました。

 これで、話が終わるならいいのです。

 しかし、まだ続きが……。