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長年、空室になっているのだろう、押入れの戸やガラスなどが外されていた。部屋の周囲は、雑草が生えるがままになっていて、近くの部屋には住んでいる部屋もあるのだが、廃墟のような雰囲気を漂わせているのだった。
「ロクな奴じゃなかったよ」
部屋を覗いていると、近所の男性が車で帰ってきた。中勝美について記憶に残っていることはあるかと尋ねてみると、苦々しい表情を浮かべて言うのだった。
「あんな奴のことは思い出したくないんよ。あいつは、近所に迷惑ばかりかけて、ロクな奴じゃなかったよ」
果たして、どんな迷惑を被ったのか、詳細について聞いてみると、
「色々ありすぎて、もう話したくないんよ。いなくなってスッキリしてるんよ」
散々な思いを近所の住民はしたようだった。
団地の近くに、雑貨屋があったので、そこでも話を聞いてみることにした。
「うちに買い物に来た時は、気のいいおっちゃんという雰囲気だったけどな。事件を起こすような人には見えなかったな。いつも買い物に来るんじゃなくて、忘れたころに来るんですよね。あんまり評判のいい人じゃなかったみたいやけど、私は悪い印象を持たんかったな」