マスコミに向かって言う必要がなくても……
――中曽根さんは早々に総裁選での安倍支持を表明しました。それは、所属する二階派の方針に従ったということですか。
中曽根 派閥の方針もそうですし、色々な見方があると思いますが、やはり個人的には特に外交面で日本の顔を変える時期ではないと思いました。
――小泉さんが頑なに意志を表明せず、「沈黙」を続けたことについてはどう感じましたか。
中曽根 進次郎さんの立場は影響力が大きいですから、私みたいな人と違って彼の発言や行動は意図しない結果を生む可能性がある。言いたいことあっても、言わないほうがいいことがあると判断したと思います。それは、私も理解できます。
ただひとつ思うのは、マスコミに向かって言う必要がなくても、地元の支援者だったり、「小泉進次郎」を通して党員になっている人たちに対して、自分がどういうふうに思っているか、態度を明らかにして説明する責任はあったと思います。
「女の子とふたりの時は個室のほうがいい」
――中曽根さんも小泉さんのような形で人から注目を浴びる政治家になりたいですか。
中曽根 人から注目される……。う~ん。語弊があるかもしれませんが、人から注目されるような政治家にならないとだめだと思います。ただ、注目されるためにパフォーマンスするというわけではなくて、自分のパフォーマンスが自然に注目されるようになるという、そういう順序でいけば、名誉なことですよ。進次郎さんのようにあれだけの人が囲んでくるというのは、国民の多くが関心を持っている政治家ということですから、素晴らしいじゃないですか。自分も注目される政治家にならなくてはならないと思います。
――しかし、プライベートまで衆人環視に晒される。以前、進次郎さんから「ひとりでスタバに行って、本を読むなんて、もうできない」というボヤキを聞いたことがあります。最近では、中曽根さんの結婚が週刊誌や新聞の記事になりました。
中曽根 極めて個人的なことですから、自分がお世話になった人や知らせたい人に知らせられればいいことなのに、ね。あんまり結婚に関しては、周りがどう言おうと、相手とのタイミングだけを見計らっていました。付き合う中で、昨年に初当選し、たまたま結婚しようというタイミングが来たんです。
付き合っている間も、悪いことしているわけじゃないので、居酒屋でも個室を使うこともなく、普通にふたりで食べていました。が、ある時、先輩議員から注意されました。「ヤスタカさん、女の子とふたりの時は個室のほうがいい」と。でも、フィアンセですから。どうぞ、どうぞ、見てくださいと思って普通に過ごしていましたが、やっぱり人は私のことを「中曽根康弘の孫」、「中曽根弘文の息子」として見ているということです。