「普通に致死量の出血量になる」それでも事故直後に冷静だったワケ

――今振り返ってみて、自分の冷静さに驚くところはないですか。

キャンディー たしかに、本当に冷静だったなとは思います。でも正確に言えば、その時は現実を理解してなかったというか。

「死ぬかもしれない」っていう感覚はないというか。まあ、あるはあるんですけど、なんでしょうね、深く考えたところで今はどうにもならないから、その時できる最善のことをやった、という感じです。

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――看護師として学んだことが役立っていると感じたところもありますか。

キャンディー 救急医療は全然経験がないし、新人看護師なので大した知識はありませんが、大腿骨からの切断は普通に致死量の出血量になるというのはわかってました。

 ただ、助けてくれた男の子4人が止血するためのものを探してくれてたんですけど、見つかってほしいけど見つかってほしくないというか、もう触ってほしくなくて。

――痛すぎて?

キャンディー そうです。生きるために見つかってほしいけど、痛すぎて見つかってほしくない自分もいて(笑)。結局その後に救急隊の人に思いっきり止血ベルトでギュッてされるんですけどね(笑)。

 

意識を失ったらそのまま死ぬかも…「どんなに痛くても目を開けてなきゃ」

――大腿骨から出血している中で、気を失わずにいたのもすごいなと思うんですが。

キャンディー 意識を失ったらそのまま死ぬかもしれないと思って。とにかく気を失わないようにしていたんです。でも、本当に意識が遠のいていく感覚が分かりましたね。寝る寸前の感じに似てました。

――痛みから逃げたくて寝てしまいたくなりそうですが、それも耐えて。

キャンディー 眠ったら楽にはなるけど、そのまま死んじゃうなって。だから、「どんなに痛くても目を開けてなきゃ」って、救急車が来るまでじっと真っ暗な空を見ていたんです。

撮影=鈴木七絵/文藝春秋

次の記事に続く 「皮一枚だけ脚がつながっていた」「命のために切断します」逆走車と正面衝突→22歳で右脚を失った“義足の看護師”(25)が、事故後に初めて涙を流した瞬間

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