オーストラリアのワンダ・ビーチで15歳の少女2人が残忍に殺害される事件が発生。砂丘に半ば埋められた凄惨な遺体からは男の体液が検出された。不可解な行動の末に消息を絶った2人。凶行に及んだ犯人は一体どこへ消えたのか。

 昭和40年の凶悪事件「ワンダ・ビーチ殺人事件」の闇に迫る。鉄人社の新刊『知ったら最後、夜眠れなくなる 世界の未解決ミステリー68』より一部抜粋してお届けする。(全2回の1回目)

写真はイメージ ©getty

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砂山から出てきのは…

 1965年1月11日午前9時ごろ、オーストラリア・シドニー北西部のウェスト・ライドに住むマリアンヌ・シュミット(当時15歳)とクリスティン・シャロック(同15歳)は、マリアンヌの弟妹4人を連れ、シドニー南郊外のクロヌラにある海岸「ワンダ・ビーチ」に向かった。

 2人は幼馴染みで親友。共に前年末の高校入学資格試験の結果を待つ身で、当時は夏休み期間中だった(南半球では1月が真夏)。

 電車とバスを乗り継ぎ、目的地に着いたのが午前11時ごろ。あいにく、ビーチは「サザリー・バスター」と呼ばれる激しい南風と砂嵐が吹き荒れ人影はまばら。6人はしばらく岩場で遊び、風を避けるためビーチ北側のクロヌラ砂丘の陰に避難する。

 13時ごろ、マリアンヌが弟妹に「バッグを取りに戻るから、すぐ迎えに来るよ」と告げ、クリスティンと砂丘の奥深くへと歩き始めた。マリアンヌの弟が「バッグは岩場にあるじゃないか。違う方向だよ」と注意しても2人はただ笑うだけ。なぜ、彼女らがこんな不自然な行動を取ったのかは今もわかっていない。

 弟妹たちは17時ごろまで待ち続けた。が、2人が一向に戻って来ないため、自分たちだけで帰宅。事情を聞いたクリスティンの祖母が20時半ごろ警察に捜索願を提出する。

 翌12日朝、クロヌラに住む17歳の少年が甥っ子たちを連れてビーチの砂丘を散歩していたところ、ワンダ・サーフ・クラブ(ビーチ正面に建つクラブハウス)から北へ少し入った地点で、砂に埋もれたマネキンのようなものを発見した。

 砂を払うと人間の遺体が出てきたため、直ちに警察に通報。現場に急行した捜査員がすぐそばで2人目の遺体を見つける。マリアンヌとクリスティンの変わり果てた姿だった。

 2人ともに体から精液が検出され、暴行目的の犯行であることは確実だった。

次の記事に続く 家族でも、恋人でもない⋯「15歳少女を殺した」と警察が睨んだ【3人の怪しい男】(昭和40年・海外の事件)