酔っ払うヒマなんてない

 親分が席を立ったら自分も席を離れ、ホステスからおしぼりをもらい、トイレの出口で待機します。親分がトイレから出てきたのを見計らい、おしぼりを渡すのですが、熱くないよう事前にパタパタしてちょうどよい温かさになるまで冷まし、両手で広げて渡します。親分はおしぼりの真ん中をすくい上げて受け取るというやり方でした。

 タバコに火をつけるのも、トイレの後におしぼりを渡すのも、完璧なタイミングが求められます。若い衆に酔っぱらっているヒマはありません。先輩の姿を見てこれらのことを勉強し、教わることなくやるのです。

 毎日が息つくヒマもない、まさに修業の日々でした。

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