32歳で暴力団を離脱したあと、42歳で一念発起して受験勉強を始め、44歳で慶應義塾大学に合格した斎藤由則さん(51)。1年の休学を経て、2025年3月に大学を卒業。現在は弁護士を目指して司法試験の勉強をしながら、犯罪者の更生支援や被災地でのボランティアなど、社会貢献活動にも取り組んでいる。

 2025年12月には、衆議院法務委員会に参考人として出席し、国会議員たちの前で再犯防止に必要な視点を語って話題となった。

 そんな斎藤さんに、小田原で育った子ども時代、借金取りと一緒に食事をする家庭環境、非行に走り始めたきっかけなどについて話を聞いた。(全6回の1回目/2回目につづく

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斎藤由則さん ©志水隆/文藝春秋

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右手の小指を落とした理由

――インタビューを始める前に、手のアップを撮っていいですか。

斎藤由則さん(以下、斎藤) 指ですか?

――切り口も見せてもらえたら。

斎藤 さっきからチラチラと何回も見てるじゃないですか(笑)。

――察するに、利き腕は右ですよね。

斎藤 字を書くのは右で、ご飯を食べるのは左ですね。

 僕、利き腕は左なんです。いろんな意味で力を使うのは左なので、右で落としました。利き腕のほうを落としたくなかったんです。

――右か左、どちらの小指にするのか聞いてもらえるものなのですか。

斎藤 いや、そんなことは。まあ普通は左ですけどね。

――親分の前で実行を。

斎藤 落としてから親分に持っていきました。

小指を詰めた右腕を見せてくれた

落とした小指は冷蔵庫でホルマリン漬けに…

――指を預けられたほうは、どうすればいいんですか。

斎藤 なんとか剤ってあるじゃないですか。腐らないような、ホルマリンとかエタノールとか。要するにホルマリン漬けですよ。他の組員のものもズラッと冷蔵庫に並んでいました。

――ははあ。

斎藤 瓶に斎藤ってラベルが貼ってあった気がしますね。

――指を渡した後に、病院や警察に連絡などはしないわけですか。

斎藤 誰がヤクザやっていて警察に泣きつくんですか、しかも指を詰めておいて(笑)。