32歳で暴力団を離脱したあと、42歳で一念発起して受験勉強を始め、44歳で慶應義塾大学に合格した斎藤由則さん(51)。1年の休学を経て、2025年3月に大学を卒業。現在は弁護士を目指して司法試験の勉強をしながら、犯罪者の更生支援や被災地でのボランティアなど、社会貢献活動にも取り組んでいる。

 2025年12月には、衆議院法務委員会に参考人として出席し、国会議員たちの前で再犯防止に必要な視点を語って話題となった。

 そんな斎藤さんに、慶應義塾大学合格を引き寄せた作戦、“慶應ボーイ”になった後のキャンパスライフ、司法試験合格を目指すようになった理由などについて話を聞いた。(全6回の6回目/1回目から読む

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斎藤由則さん ©志水隆/文藝春秋

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恩師の社長による「慶應受験特別プログラム」が始動

――高卒認定の合格を経て、東海大学に受かったものの、やはり目標だった慶應大学を受けることを決意。もう1年勉強を頑張ろうとした矢先に、広島に借りていたマンションに空き巣が入ってしまったと。

斎藤由則さん(以下、斎藤) 部屋はメチャクチャにされてたけど、玄関が荒らされた形跡がなくて。部屋は上層階にあったから、ベランダから入ることはできないだろうと不思議でしたね。警察からは、犯人は非常階段から壁を伝ってベランダから忍び込んだじゃないかって話をされました。

 空き巣に遭う前、2018年の年末には東京でやられてるんですよ。現金、腕時計、通帳、キャッシュカードを取られて、通帳から1000万円おろされて。

 これ、暗証番号を推測できるような人間じゃないとできないでしょっていうね。広島と東京の事件は関連性ないかもしれないけど、連続するとさすがに人間不信になってしまって、勉強に身が入らなくなってしまって。

――続いたら、なんだか疑っちゃいますよね。

斎藤 「悪い意味で持ってんなあ」と思っちゃいました。で、普段からお世話になっている大恩師のY社長に電話したら、「東京に帰ってきなさい」と。

 詳しく話をしたら「じゃあ私があらゆる面でサポートするから」と、Y社長が考案した「慶應受験特別プログラム」が始動したんです。