「借金の額は2000万円くらい」母親が多額の借金を背負った理由

――1980年代初頭の小学生で、毎日500円はなかなかですね。

斎藤 駄菓子屋さんにゲーム機も置いてあったじゃないですか。それをやったり、ゲームセンターにも行ってパックマンなんかをやったりね。だけど、当時はゲームセンターで遊んでるだけで不良だと思われちゃうような雰囲気がありましたから。

――借金は誰が作ったのですか。

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斎藤 実の父です。母は実の父が作った借金の連帯保証人になってたんです。2人は事実婚だったんですけどね。10年近く前に実の父を探して、家までたどり着いたんですけど、そこにはもういなかったです。

 多分、原因はギャンブルでしょう。借金の額は2000万円くらいで、今だったらもっと大きな金額になるんじゃないですか。母は育ての父には何も言わず、ずーっと返していましたけど。

――じゃあ、家に取り立ても。

斎藤 家に来るもなにも、僕は取り立て屋と一緒に晩御飯を食べてたくらいですから。

借金取りと一緒にファミコンをやって、晩ごはんを食べる生活

――なんて?

斎藤 いや、ほんとの話ですよ。そういう時代だったんですって。「おーい、母ちゃんいるか」って聞かれて、「いや、母ちゃんいないよ。仕事だよ」って答えたら、「いや、仕事先にも行ったけどいねえんだよ」「知らないよ、僕に言われても」なんてやりとりして。

「じゃあ、ちょっとドアを開けてくれ」って言われて開けたら、バカーッて入って来て。で、一緒にファミコンなんかをやったり。しまいには、「おい坊主、飯食うか?」って食わされて。また、ドスの利いた声なんですよ。

――斎藤さんになにか危害を加えるようなことは。

斎藤 全然。「お前、かわいいなー」なんて言われてました。その一方で、「おめえの母ちゃんはとんでもねえ奴なんだよ。だけどな、おめえはそんなふうになるなよ」なんてことも言われましたね。

 母は帰ってこないんですよ。取り立て屋が来ているのをわかっているから。電話で母と決めていたことがあるんです。ワンコールで家に電話が来たら、それが母ちゃんだっていうね。でも、取り立て屋はピンとくるわけですよ。ワンコールで「あ、お前の母ちゃんだな」って。

 でも、母も大したもんで「ワンコールして、次はツーコールするから」なんて、ちょこちょこ変えるわけです。

 それでも一緒にファミコンをやって、晩ごはんを食べて、夜の10時くらいになると諦めて帰っていきましたね。