数学教師から金融界に進出し、巨万の富を手にしたジェフリー・エプスタインが、各地で少女や若い女性をレイプし続けた史上最悪の性犯罪「エプスタイン事件」。今もアメリカ社会を大きく揺るがしているこの事件は、彼の世界中のネットワークを駆使しながら行われ、長くその実態が明るみに出ることはなかった。
この悪行を暴く大きなきっかけとなったのが、被害者女性、ヴァージニア・ジュフレイの告発だった。娘を持つ母親となり、意を決して巨悪に立ち向かった彼女だったが、立ち向かったその裏では、夫からのDVも始まっていた。彼女が直面した苦難について、在米ライター・堂本かおる氏による『エプスタイン事件 世紀の暗黒スキャンダルの全貌』より、一部を抜粋して紹介する。
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過去の性加害告発の背後で始まった「夫のDV」
エプスタインおよび共犯者たちとの闘いを続けたジュフレイだが、人知れず夫からの激しいDV(家庭内暴力)にも苦しめられていた。夫は、エプスタインへの告発によって妻がメディアの脚光を浴びたことに激しく嫉妬したのだった。
ジュフレイの死の直後、彼女の弟スカイと、その妻アマンダはジュフレイの日記を発見した。2人はイギリスのザ・タイムズ紙の取材を受け、日記の一部を公開するとともに、ジュフレイと夫ロバートの関係を詳しく語っている。
同紙の2025年7月1日付の記事「ヴァージニア・ジュフレイに一体何が起こったのか?(What really happened to Virginia Giuffre?)」によると、ジュフレイがエプスタインを相手に提訴・告発を開始した2009年ごろから、夫のDVが始まったという。
ジュフレイは夫に対し、2023年に離婚を切り出し、翌年に別居している。以後、子供の親権(長男は当時すでに18歳。二男と長女は17歳、14歳)をめぐって揉め、夫からのDVも訴えたジュフレイだったが、2025年に裁判所命令によって彼女の方が子供たちとの面会を禁じられた。子供に一途に愛情を注いできたジュフレイにはこれが何よりも辛かったという。
きっかけは性行為の拒否
ことの経緯はこうだ。2025年1月、別居中だったジュフレイ、夫ロバートは、末子の15歳の誕生日を祝うために貸別荘で再会。性行為を求めた夫をジュフレイが拒絶すると、夫は彼女に壮絶な暴力を振るった。
治療のために入院したジュフレイは痣だらけとなった顔を撮影しており、この写真もザ・タイムズ紙の先の記事に掲載されている。ジュフレイから話を聞いたアマンダは、格闘家だったロバートのその苛烈な暴力に慄然とした。

