5月7日、8日に証人として召喚されたダニエルズは、トランプとの不倫および性行為の詳細を語った。ダニエルズはトランプが「君は私の娘に似ている。頭が良くて、金髪で、美しいから」と言ったことを覚えており、また、その時期はメラニアがトランプの末子バロンを産んだわずか数カ月後だったと述べた。

 他方、トランプの弁護側はダニエルズがトランプとの話を「でっち上げ」、彼女の書籍出版の価値をつり上げて高額な契約金を得るなど、私腹を肥やすことに利用していると非難した(ABCの2024年5月8日、10日付記事より)。

 5月30日、陪審員はトランプが「2016年大統領選の結果に影響を与える目的で業務記録を改竄した」として、訴追された全34件で有罪とした。大統領選を控えた時期にAV女優との不倫を有権者に知られないように口止め料を支払い、その手段が違法であったとの評決を下したのである。

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 しかし、判事はトランプへの量刑宣告を3回にわたり延期、最終的に「無条件放免」とした。大統領選が迫り、かつ機を同じくして最高裁で元大統領への訴追免除に関する判決が出たためだった。

大統領就任式10日前に突然の宣告。その驚愕の量刑

 ことの経緯は次の通りだ。

 陪審員による有罪評決が2024年5月30日に出され、当初、判事は量刑宣告を7月11日に設定した。

 しかし、7月1日に最高裁が別の事件について「大統領免責」に関する歴史的な判決を出した。「大統領は退任後も在任中の公的行為について訴追を免れる」というもので、この最高裁判決を巡っては、保守派の判事6人が賛成、リベラル派の判事3人が反対の立場をとった。

 これは近年の最高裁判決のパターンを踏襲するものだった。現在の最高裁判事9名のうち、3名がトランプによって指名され、保守派が多数派の状況が続いている。これを受け、判事は量刑宣告を7月から9月に延期した。

 また、7月15~18日には共和党全国党大会がおこなわれ、共和党の大統領候補として正式にトランプが指名された。

 すると判事は「裁判所が政治的に中立であると見なされるよう」量刑宣告を11月5日の大統領選の後となる11月26日に再度、延期した(9月6日付NPRより)。

 その間、トランプ側は口止め料訴訟にも免責が適用されるとして有罪の取り消しを求めた。

 そして、トランプが大統領選に勝つと、判事はこの11月26日の量刑宣告も延期。BBCは11月22日付の記事で、その際に判事がトランプの大統領任期が終了する2029年まで量刑宣告を待つことも示唆したと伝えている。