独房内に監視カメラはないが、独房に向かう短い階段があるスペースを映す監視カメラはある。だが、階段は壁と刑務官のデスクに挟まれ、ごく一部しか映されていない。その階段を、前夜の午後10時39分にオレンジ色の「何か」が上がっていくのが映っているが、それが人であるとは断定できない。
当夜の刑務官はその人影のようなものは自分ではなく、独房に残されていたオレンジ色の布をエプスタインに渡すこともしていないと証言している。
カメラ映像「約1分の空白」
監視カメラ映像には他にも大きな問題があった。司法省が2025年7月7日に公開した映像にあるタイムスタンプには、約1分間の空白があったのだ。9日から10日に日付が変わる際、62秒間の映像が欠落し、午後11時58分58秒から午前0時に飛んでいた。
これを見た陰謀論者たちが、これこそ自殺でなく他殺の証拠だと騒いだため、翌日、この映像が公開された当時の司法長官パム・ボンディは、トランプ大統領と閣僚メンバーによる会議の場で、1分間の欠落は監視カメラが毎晩0時にリセットされるためで、毎日起こる事象なのだと説明した。
しかし、これは事実ではなかった。
7月29日付CBS「CBSニュースによるジェフリー・エプスタインの刑務所ビデオの調査で新たな矛盾点が明らかに(CBS News investigation of Jeffrey Epstein jail video reveals new discrepancies)」は、「捜査に詳しい政府高官筋はCBSニュースに対し、FBI、刑務所局、司法省監察官室は編集されていない完全なビデオのコピーを所持しており、それらのコピーには1分間の欠落はないと語った」「ボンディ氏がビデオがリセットされると述べた理由は不明」と報じている。
下院監視委員会は司法省に映像の完全版を求め、同年9月2日に公開した。結局、欠落していた1分間に特筆すべき出来事はなかったが、この騒動の結果、司法省への信頼は大きく損なわれた。

