――逆に低身長が役に立った場面はありましたか。

のぶパンツ 僕がヒーローになれる唯一の場所が、足場ですね。ビルを建てる時に組む鉄パイプの足場って、結構狭かったり、低くて頭がつかえてぶつかりそうなところがあるんですよ。みんなが「腰が痛い」とか言いながら、いちいちしゃがんで通らなあかんところを、僕だけが立ったまましゃがまずにスイスイ移動できるんですよ。だから、狭い場所での作業は僕の独壇場でした。まあ、高いところがものすごく苦手なんですけど(笑)。

 あと、学校とか商業施設の現場で、子どもが使う洗面台とかトイレの便器の高さを決めるときに、僕の体が基準として使われたりもしてました。「おい、ちょっと立ってみて。うん、このサイズやったらちょうどいけるな」って(笑)。それはちょっと嬉しかったですね。

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――いじめのようなことも経験されたそうですね。

のぶパンツ まあまあありましたね。陰口は日常茶飯事でしたし、「チビ」とか「半人前」とか言われるのはもう慣れっこでした。ただ、嫌なことを言われても、自分のことだけを言われるのはまだ耐えられるんです。

 だけど、「お前みたいなのが親やったら子どもがかわいそうやな」とか「お前と一緒にいると家族が恥をかく」とか、「こんな小さい男と嫁さんが一緒に歩いてたら絶対恥ずかしい思いしてるで」とか、僕の大切な家族が巻き添えになるようなことを言われるのは、やっぱり我慢できなかったですね。

結婚式でのお二人 たえちゃんさんが屈んでいる

――言い返したりすることはありましたか。

のぶパンツ しなかったですね。悔しいですけど、言い返したらもっとひどいことを言われるのが分かってたので。「そうなんすよー」なんて言いながらいつも笑って流してしまう感じで。自分が我慢したら、この場は丸く収まるんやからええやと思っていました。でも、家に帰る車の中で、一人で悔し涙を流すことはしょっちゅうでした。

ストレスが積み重なり、ある日突然、プツンと弾けてしまった

――職場を渡り歩きながらも身長のことを言われる状況は変わらず、28歳のときに双極性障害を発症されたと。

のぶパンツ 一つの会社で長く続かなくて、いろんな工務店を転々としてたんですけど、どこへ行っても結局同じような扱いを受けるんですよ。最初は良くしてくれても、だんだんと舐められるというか、見下されるというか。自分は他の人と同じように、いや、それ以上に頑張ってるつもりなのに、いつまでたっても認めてもらえなくて。

 給料も上がらないし、責任のある仕事も任せてもらえない。もうずっとそういう悔しさや無力感が積み重なって、心の中でパンパンに膨れ上がった風船が、ある日突然、プツンと弾けてしまった。そんな感じですね。