――最初のサインにはどんなものがありましたか。

のぶパンツ 家に帰りたくなくなったんです。仕事が終わっても、すぐに家に帰れなくて、車の中で何時間もボーッとしたり、意味もなく公園で1人でいたりとか。そういうことが増えてきて、自分でも「これ、ちょっとヤバいかな」っていうのはなんとなく分かってたんですよ。でも、家族に心配かけたくなくて。僕、もともとごまかしがうまいというか、しゃべるのが得意なので、家族の前ではいつも通り明るく振る舞って、うまく隠してたつもりでした。

たえちゃん 振り返ってみると、サインはたくさんあった気がしますね。帰ってくるのが毎日遅いなとは思ってたんですけど、「今日は残業で」とか言われると、「そうなんだ」って信じてしまって。問い詰めても、ごまかされて分からへんところがあって。私からしたら、本当に彼が壊れてしまう数日前ぐらいでしか異変に気づかなかったですね。「もっと前からしんどかったんやで」と後から言われたときは、何も気づけなかった自分が不甲斐なかったです。

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――限界に達した瞬間、プツンと弾けてしまった瞬間を覚えていますか。

のぶパンツ ある朝、いつも通り仕事に行こうとして、作業着に着替えて、玄関で靴を履こうとした瞬間に、足が地面に張り付いたみたいに動かなくなってしまって。体が完全に拒否反応を示したんです。その場で崩れ落ちて、もう子どものように泣き出してしまったんですよ。そこで、たまたま起きてきたたえちゃんが僕の姿を見て、「ヤバいな」となったようです。

たえちゃん 声をかけようとしたら、のぶが玄関でうずくまってて。あんな風に泣くっていうのを見たことがなかったので、心臓が止まるかと思いました。本当に、漫画みたいに「わーん」って泣き崩れていて。それまでも「仕事、しんどかったら休んでいいんやで」とは言ってたんですけど、その姿を見た瞬間に「もうあかんな」ってなりましたね。

 なんとか家の中に連れて入って落ち着こうとしたんですけど、泣きすぎて過呼吸になってしまって、どうしたらいいか分からないぐらいの状況で。今まで見たことない彼を、その日にいっぺんに見た1日でした。

引きこもり、自傷行為、閉鎖病棟へ入院…

――病院には行かれたのですか。

のぶパンツ たえちゃんに無理やり連れて行かれる形で、わりとすぐ心療内科に行ったんですけど、診断を受けてからも、どんどん急降下していって。光がダメになって、一日中毛布をかぶりっぱなしになったり、押し入れみたいな暗いところにいないといけなくなったりして。家族の声も聞きたくなくて、完全に心を閉ざしてしまいました。

たえちゃん 本当に、一瞬も目を離せない時期がずっと続きましたね。いつの間にかいなくなってしまうんじゃないかって、常に不安でした。