地獄の底にいる自分を見られたくない
非常に苦しく、醜い姿を晒すことになる過酷な治療に挑むのは、「ブラック・スキャンダル」の撮影終了後の2014年8月。場所は、誰の目にも触れない、バハマにある自分の島だ。ボディガードも、パーソナルアシスタントも連れて行かず、同行するのは姉のクリスティだけ。
クリスティもそのつもりでいたのだが、アンバーが「それは私の役目だ」と主張し始めた。アンバーが来ることに、ジョニーは賛成できなかった。いつものように言い争いになって治療に集中できないかもしれず、地獄の底にいる自分の姿を愛する女性に見られるのも嫌だった。
だが、アンバーはどうしてもと言って聞かない。その結果、ジョニーが恐れていた通りのことが起きてしまうのだ。
島には、アンバーのほか、キッパー医師と、キッパー医師からジョニーの担当を任された看護師デビー・ロイドが同行した。島にある家にはジョニーとアンバーだけが滞在し、キッパー医師とデビーは島の反対側に宿泊する。禁断症状の苦しみを抑えるための薬を投与するのは、アンバーの役目だ。
あまりの辛さに耐えられず投薬を訴えるも…
最初の話し合いで、薬は決まった時間に投与されるべきではあるものの、患者が酷い苦しみを訴えた場合は、予定より早い時間でもいいと指導された。必要な時に投与を怠れば、患者が発作を起こす場合がある。
強い苦しみは、突如として訪れる。カウチに座っていたら、急に体全体が硬直し始め、激しい腹痛を感じ、震えが止まらなくなり、人生で感じたことのないような苦しみに襲われるのだ。
あまりの辛さに耐えられず、ジョニーは、キッチンで野菜を切っていたアンバーに「薬をくれ」と訴えた。だが、アンバーは時計をちらりと見て、「まだ時間じゃないから」とすげなく言った。
「時間がどうこうじゃないんだよ。今、耐えられないんだ。薬をくれ」