1982年のデビュー以来、アイドルの枠組みを越えた唯一無二の存在感で第一線を走り続ける歌手・俳優の小泉今日子(1966~)。長年の盟友で、近年は共にラジオパーソナリティも務めた音楽家の近田春夫氏が語る“キョンキョン”の魅力とは。

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 僕は普段、彼女のことを「キョンキョン」じゃなくて、「キョンちゃん」と呼ばせてもらっています。1980年代、共通の知人である写真家の小暮徹がキョンちゃんと呼んでいたから、その流れで。

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今年60歳となる小泉今日子氏 Ⓒ文藝春秋

 一緒に仕事をするまでは会うこともなかったし、僕にとっては、多くのアイドルのうちの1人でした。ただ1985年の「なんてったってアイドル」は、作曲の筒美京平、作詞の秋元康というコンビが「面白い曲を作ったな」と思った。と同時に、小泉今日子というアイドルが持ち合わせている「度量」が伝わってきた。あれは誰にでも歌える歌じゃない。「アイドルであること」に対する意識が違う人なんだろうと想像はしていたんです。

 1989年に彼女のアルバム「KOIZUMI IN THE HOUSE」を一緒に作ることになったのは、本人からのオファーでした。彼女はジューシィ・フルーツというバンドをとても好きで、プロデューサーだった僕に興味を持ってくれた。「次のアルバムは、自分がやりたいものをやりたい」という彼女自身の希望で、ディレクター経由で連絡がきた。

 早速、会って話すことになり、表参道のハナエ・モリビルにあるカフェ「花水木」で待ち合わせました。実は、その頃の僕はクラブで流れるようなハウスミュージックに入れ込んでいた時期で、とにかくハウス以外は頭になかった。出会い頭に「最初に断っておくけど、今はハウスしかできないから、それでもいい?」と正直に伝えたら、本当の二つ返事で「じゃあ、それでお願いします」。

音楽家の近田春夫氏 Ⓒ文藝春秋

 彼女はハウスに造詣が深かったわけでもなく、ジューシィ・フルーツのようなカラフルなポップスをイメージしていたはず。なのに「近田春夫が興味を持ってること」に賭けてくれた。シングルカットされた「Fade Out」ひとつとっても曲はアイドル的ではないし、歌詞も際どいから「これはちょっと……」となっても不思議はないけど、最初から最後まで、文句ひとつ言わない。

※約1600字の全文は、月刊文藝春秋のウェブメディア『文藝春秋PLUS』と『文藝春秋』2026年11月号に掲載されています(近田春夫「小泉今日子 一番素敵なのは電話の声」)。

文藝春秋

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小泉今日子 一番素敵なのは電話の声

出典元

文藝春秋

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