身を浸す「イマージョン学習」のすすめ

 多読と、ディープコードリーディング的な精読は、両輪で運用すべきものだ。しっかり意味を理解したいときは、AIに聞きながらディープリーディングをする。多読では「イマージョン学習」を目指す。イマージョンとは外国語に囲まれた環境の中に浸ることで、自然な言語習得を目指す手法だ。時間はややかかるが、とてもナチュラルな英語を身につけることができる。

 文法や作文から入ってしまうとネイティブが絶対に言わないような不自然な言い回しをしがちなので、自然な言語習得がしたかったらイマージョン学習に勝るものはないと思っている。

 この方法は、欧米圏で評価が高い「アンチムーン・メソッド」( Antimoon Method)に近い。簡単にいうと、「学校で習うようなお勉強(文法や単語暗記)を捨てて、大量のインプットを通じて自然に言語を習得する」アプローチ法だ。まずは楽しむことを優先し、教科書は使わずに、自分が本当に興味のある映画、アニメ、本などを教材にする。「理解可能なインプット」(少しだけ自分のレベルより上の内容)を大量に浴びることで、脳に言語のパターンを染み込ませる。その後、Anki などの単語カードアプリを使って、忘れた頃に復習するメソッドだ。

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©AFLO

お気に入りの映画を死ぬほど繰り返し見る

 私が今の時代に一から英語を学習するとしたら、ここまでのことを実施したうえで、ある程度レベルが上がったらNetflix などでお気に入りの映画を1本選んで死ぬほど繰り返し見て、音を完コピすると思う。実際私は、『スクール・オブ・ロック』や『スチュアート・リトル』のような簡単で面白いものから始めて、『プラダを着た悪魔』などを使ったが、内容が抜群に面白いので記憶によく残る。エンジニアならドラマ『シリコンバレー』あたりもお勧めだ。

 映画の世界に身を浸して、セリフのアクセント、イントネーションのすべてを身体に叩き込み、ディクテーションし、シャドーイングする。配信先のプラットフォームは何でもいいが、再生速度を変えられると有利だとは思う。ポイントは恥ずかしがってないで自分の声を録音すること。これが語学学習には外せないポイントだ。

 映画だと、舞台となっている年代や場所の文化的背景への理解も深まるし、AIと対話して映画の深掘りをするのも楽しい。そういうイマージョン学習から得られた語学力は、圧倒的にナチュラルだし現場で即使えるものだ。