「日本語の勉強は、隠れて続けるしかなかった」。ポーランド出身のアメリアさん(24)は、故郷で日本のアニメを好きだと言うだけで「オタク」「変態」とからかわれた。そんな彼女にとって日本は、ありのままの自分をさらけ出せる場所だ。しかし住んでみると、日本人との価値観の違いをめぐって戸惑いも尽きないという。

アメリアさん ©深野未季/文藝春秋

「日本人の男性との結婚は…」文化の違いに悩む本音

 アメリアさんが日本語に出会ったのは12歳のときだ。ネットで偶然流れてきたアニメで初めて日本語を耳にし、「主人公の女性声優の上品で、可愛くて、繊細な喋り方に憧れたんです」と振り返る。13歳から独学で勉強を始め、昭和歌謡や夏目漱石の『こころ』にも親しんだ。

 ただ、周囲の目は冷たかった。当時のポーランドでは日本のアニメはあまり知られておらず、同級生からは「何でそんな珍しい言語の勉強するの? オタク過ぎる」とバカにされたという。それでも小中高を通して隠れて勉強を続け、2024年には日本語能力試験の最高レベルであるN1に合格した。

ADVERTISEMENT

 大学2年生のときに日本に留学したアメリアさんは、「初めての日本は衝撃的でした。『ついに来た!』と思いました」と語る。今年4月には本格的に移住し、自身と同じように日本語を学びたい外国人に向けて、タレントのシンディさんとともにInstagramメディア「日本語先輩」の運営を始めた。

 そんなアメリアさんが、日本で最もギャップを感じているのが男性との関係だ。ポーランドではいわゆるクールビューティな女性が多く、「化粧も強め、性格も強め、とにかく強い女性が人気」だと話す。一方、日本ではそうではないため、「そこにまだ慣れません」と語る。

 喧嘩の仕方も違う。「日本人は嫌なことがあっても我慢するけど、私はすぐに言います」とアメリアさん。きつく怒りすぎた結果、過去に付き合った男性からは「めちゃくちゃ冷たい」と言われたそうだ。

「ポーランドは仲が良ければ何でも言っちゃっていいという文化なんです。でも、日本人はすごく親しくても言えないこともあるから……どんな関係でも壁を感じます」

 では、日本人男性との結婚は考えられないのか。アメリアさんは「文化が違うから大変なところもあるでしょうけど……良いとは思います」と前向きに答える。ただし、「海外に行ったことのある日本人か、ハーフのほうが相性がいいかもしれません」とも語った。

 日本にはまず5年ほど住んでみたいという。「日本に出会って、私の人生はとても救われました」と話すアメリアさん。日本への深い愛情と日本語の意外な勉強法については、インタビュー本編でさらに詳しく語られている。

次のページ 写真ページはこちら