日本各地で大雨による被害が多発した今夏。8月中旬には千葉、9月初旬には名古屋を中心とした東海地方で記録的大雨が発生。千葉豪雨を伝えるニュースでは、走行中の自動車が水没する衝撃的な映像が繰り返し放送された。
気象学者の坪木和久氏は「豪雨のような異常気象はもはや『異常』ではなく、『新しい日常(ニューノーマル)』になっていくと考えるべき」と語る。なぜここまで頻繁に、未曾有の豪雨災害が起きるのか。坪木氏に聞いた。
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千葉豪雨から見えるもの
まずは、今年起きた三つの豪雨災害を分析してみましょう。
一つめは、8月13日から14日にかけて発生した「令和8年8月千葉豪雨」。6都県55市区町にレベル4土砂災害危険警報が発表されたこの豪雨により、県内で13人の死者が出ました。佐倉市では冠水した道路でタクシーに閉じ込められた方が亡くなり、千葉市中央区では、同様にアンダーパスで車に閉じ込められた方が亡くなりました。排水施設の処理能力を超えて水があふれる「内水氾濫」の恐ろしさを如実に示した災害だったと言えるでしょう。
この豪雨の要因として、太平洋上に発生した「モンスーンジャイア」が挙げられます。
モンスーンジャイアとは、いわば巨大な風の渦です。直径2000キロから3000キロにも達する、反時計回りで低気圧性の渦が、日本列島の南側の太平洋上に発生していた。この渦と、その北東側に発生していた時計回りの高気圧とが同時に作用し、渦の北東側を通る形で湿った暖かい空気が日本列島に流れ込み続けました。
湿った暖かい空気は、日本列島の陸上の冷気とぶつかって、積乱雲を発生させます。今回、その湿った暖かい空気が流れ込んだのは関東平野でした。そうして、千葉県上空で積乱雲が次々と発生し、線状降水帯となって激しい雨を降らせたのです。
