個人事業主の魅力として挙げられる「自由に休める」という環境。だが、そこには「安心して休めるわけではない」という大きな罠が存在する。

 多層的な下請け構造、特定会社への依存リスクも……。物流ライターの二階堂運人氏の著書『宅配業界ぶっちゃけ話』(清談社Publico)より一部抜粋・再構成してお届けする。(全2回の2回目)

 

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月50万円の売上があっても…

 さらに重要なのが、その金額を得るためにどれだけの時間を使っているかという点だ。

 仮に長時間働いて月50万円の売上を得ていたとしても、そのために月300時間以上働いているのであれば、それを単純に「高収入」と呼んでいいのかは疑問が残る。

 つまり、個人事業主の収入を考える際には、売上だけでなく、経費と労働時間を合わせて考える必要がある。

 個人事業主の魅力としてよく挙げられるのが、「自分のペースで働ける」という自由である。確かに、会社員のように決められた勤務日に出勤する必要がなく、自分で仕事を選べる場合もある。しかし、「自分で休むことを決められる」ことと、「安心して休める」ことは同じではない。

 個人事業主の場合、休めばその日の売上がなくなる。体調を崩した場合でも、会社員のように有給休暇を利用して収入を維持できるとは限らない。家族の予定や学校行事などがあれば、休むことによる収入減少を考えなければならない。